曇りなき眼で見定めブログ

学生です。勉強したことを書いていく所存です。リンクもコメントも自由です! お手柔らかに。。。更新のお知らせはTwitter@cut_eliminationで

高畑勲・宮崎駿(宮﨑駿)

『ロボット・ドリームズ』とかいう漫画映画を観てきた!(じんわりと深い感動)

非常に良かった! 作った人らはスペイン人みたいだが、舞台はニューヨーク。ニューヨークの汚い街並みやヤンキースタジアムが出てくる。キャラクターはどうぶつやロボットだけど。 長編アニメーションだがセリフがまったくない珍しい作品である。「ハッ」と…

『がんばっていきまっしょい』とかいう漫画映画を観てきた!(加藤純一たちに見せたい)

期待してなかったけどかなりおもしろかった! めっちゃコケてるらしいけどレイトショーの割にはちょっとは入っていた。 まあ企画として特段の魅力はないしコケるのも仕方ない。原作や昔やってた実写版のファンに訴えるくらいか。あと声優のファンとか。 私は…

山田尚子監督のバンドアニメ映画『きみの色』を観たよ(「Garden of Remembrance」も見たよ)

おもしろかったというか良い映画だった。きのう公開。 映画「きみの色」オリジナル・サウンドトラック all is colour within [CD](特典なし) アーティスト:牛尾憲輔 ポニーキャニオン Amazon 私は山田尚子監督の作品をすべて見ているっぽい。私のような未熟…

『火垂るの墓』は反戦映画なのか? というのがたびたび話題になるので高畑勲監督の発言をまとめときまっせ

終戦の日(というか敗戦の日)なので。 以前に書いた高畑勲監督『火垂るの墓』についての↓の記事は、当ブログで最も多くアクセスされている。 cut-elimination.hatenablog.com やはり皆さん気になるところなのでしょう。 『火垂るの墓』について、この清太と…

キミは『ルパン三世(テレビ第1シリーズ)』を見たか?(ワルサーP-38ぃ〜)

70年代の名作アニメを見返すシリーズ。これもひさしぶりに見た。1971-72年放送。 第1話 山田康雄 Amazon モンキー・パンチによるマンガが原作。マンガも斬新な絵柄と雰囲気で人気だったようだが、アニメでさらに人気になって国民的作品となった。 第2シリー…

キミは『未来少年コナン』を見たか?(アニメの真髄ここにあり)

70年代テレビアニメをいろいろ見ていたので、ついでに『未来少年コナン』も見返した。 旅立ち 小原乃梨子 Amazon 当ブログで取り上げた『母をたずねて三千里』『ガンバの冒険』とともに、テレビアニメ史上の最高峰の一作である。宮﨑駿の初監督作品。 本作に…

ゴンブリッチとアニメーター

清塚邦彦『絵画の哲学』を読んでいる。 絵画の哲学: 絵とは何か、絵を見る経験とは何なのか 作者:清塚 邦彦 勁草書房 Amazon 第2章はエルンスト・ゴンブリッチという美術史家の理論の紹介・検討に充てられている。ゴンブリッチは哲学者ではないが、その後の…

最近読んだ本とか論文を紹介しちゃおうかな(レゲット、AIで英語論文、ゲーム理論、井上俊之)

またいろいろ読んだので紹介するぜ! Anthony J. Leggett "Notes on the Writing of Scientific English for Japanese Physicists" 柳瀬陽介「AIを活用して英語論文を作成する日本語話者にとっての課題とその対策」 浅古泰史・図斎大・森谷文利『活かすゲー…

河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』徹底批判シリーズその17 キャッチコピーをもとに批評するのをやめないか

↓これの続き cut-elimination.hatenablog.com 河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』 増補 戦う姫、働く少女 (ちくま文庫 こ-58-1) 作者:河野 真太郎 筑摩書房 Amazon 映画やアニメを論ずる際、そのキャッチコピーから作品を読み解いていくということは、基本…

河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』徹底批判シリーズその15 唐突なアイドル論

↓これの続き cut-elimination.hatenablog.com 河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』 増補 戦う姫、働く少女 (ちくま文庫 こ-58-1) 作者:河野 真太郎 筑摩書房 Amazon 今回で『魔女の宅急便』論批判は終る予定。 本書の『魔女宅』論中で強烈に違和感を感じた*…

河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』徹底批判シリーズその14 「旧来の型の労働の隠蔽」に陰謀論の匂い

↓これの続き cut-elimination.hatenablog.com 河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』 増補 戦う姫、働く少女 (ちくま文庫 こ-58-1) 作者:河野 真太郎 筑摩書房 Amazon 『魔女の宅急便』論批判のメイン回でごんす。 前回見た通り、河野先生はキキの仕事はポス…

河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』徹底批判シリーズその13 「郵政民営化の物語」ふたたび

↓これの続き cut-elimination.hatenablog.com 河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』 増補 戦う姫、働く少女 (ちくま文庫 こ-58-1) 作者:河野 真太郎 筑摩書房 Amazon ようやく「その8」で予告した『魔女の宅急便』論批判に戻れる。これは本当に問題が多いの…

河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』徹底批判シリーズその8 「『魔女の宅急便』は郵政民営化の物語」とはこれいかに?

↓これの続き cut-elimination.hatenablog.com 河野真太郎『増補 戦う姫、働く少女』 増補 戦う姫、働く少女 (ちくま文庫 こ-58-1) 作者:河野 真太郎 筑摩書房 Amazon 今回は宮﨑駿監督『魔女の宅急便』について。 113ページで、以前に触れた三浦玲一先生を引…

キミは『バッタ君町に行く』を見たか?

最近ディズニー+に入会してディズニー作品をたくさん見ているのだが、ついでにフライシャー作品も見たろと思い、前から見ようと思っていた『バッタ君町に行く』を見た。1941年公開。 バッタ君 町に行く [DVD] スタン・フリード Amazon ↓Not An Animation His…

2023年アニメ映画ベストテンを大発表!!!

もう今年はこれ以上新作アニメ映画を観る予定がないので、今年のベストテンを発表しちゃいます。今年は体調が良かったので観たいものはすべて観られた。シネコンの近くに越してきて三年、ようやくベストテンを発表しても恥かしくないくらい観ましたわ。 第10…

【黒柳さ〜ん!】『窓ぎわのトットちゃん』なる漫画映画を観てきた!【徹底批評】

たいへん素晴しかった! ↓原作は有名だけど読んだことない! 窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫) 作者:黒柳徹子 講談社 Amazon 監督の八鍬新之介氏はこれまでほとんど『ドラえもん』にしか携わっていないようで、新境地らしい。よく知らなかったが。…

『古の王子と3つの花』なるアニメーション映画を観てきた!

なかなかおもしろかった! 3つの話からなるオムニバス。 ミッシェル・オスロ監督作品。オスロ監督の作品は初めて観た。『キリクと魔女』というのが日本版にジブリと高畑勲先生が関わってるので観なきゃとは思っていたが。 キリクと魔女 アワ・セネ・サール A…

アニメのOP/EDベスト10リストを作って交換しよう

江口某こと江口聡先生が、ゼミの学生にプレイリストを作って交換するというのをやらせているらしい。 yonosuke.net おもしろそうである。これアニメでもできないかと思ったが、アニメだと長いし見る手段が限られているので難しい。 しかしテレビアニメのOPや…

アニメ映画『火垂るの墓』の清太=クズ・おばさん=マトモ説がたびたび話題になるので高畑勲監督の発言をまとめときまっせ

先日『火垂るの墓』に関するこんなツイートがバズっていた。 大人になって気付いたこと西宮のおばさんが言ってることが正論で清太がクズだったということ pic.twitter.com/IKCkhT28Vb — ヒーリングっど♡もりー光秀@早春イベオール甲完走 (@Mory_Mitsuhide) 2…

吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』を読んでから宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』を観るとグーよ

↓前にもメモ記事を書いたが、私は吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を読んでから今回の『君たちはどう生きるか』を観た。 cut-elimination.hatenablog.com 君たちはどう生きるか (岩波文庫) 作者:吉野 源三郎 岩波書店 Amazon で、そんなに話の本筋とかテ…

【ネタバレ注意】『君たちはどう生きるか』を観てきたので感想をば【宮崎駿は神】

本当におもしろかった! 宮崎駿は神! ネタバレ注意! まずなによりも、まったく宣伝しないという方針をとった鈴木敏夫Pに感謝する。鈴木Pは「スラムダンク方式」とか言って敢えて宣伝しないという宣伝方式だとしていたが、ぶっちゃけ宣伝効果があったのかど…

吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を読んだぞ!

なんか耳の痛い本である。 君たちはどう生きるか (岩波文庫) 作者:吉野 源三郎 岩波書店 Amazon 宮崎駿の同名映画がもうすぐ公開なので読んでみた。どういう形でかはわからないが宮崎版に本書は登場するらしい。 内容なのだが、現代の目からすると文明の進歩…

宇野常寛『母性のディストピア』という(なかなか良い)本を精読する その3

↓これの続き! cut-elimination.hatenablog.com 宇野常寛『母性のディストピアⅠ 接触篇』『母性のディストピアⅡ 発動篇』(ハヤカワ文庫JA) 母性のディストピア I 接触篇 (ハヤカワ文庫JA) 作者:宇野 常寛 早川書房 Amazon 母性のディストピア II 発動篇 (…

【安倍マリオ】マリオの映画を観たぞ!【ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー】

大変おもしろかった! けっこう感動してしまった! マリオカート8 デラックス|オンラインコード版 任天堂 Amazon 私はゲームをまったくやらないのでキャラクターとか話とかまったくわからなかったらどうしようと思っていたが、もこう先生のマリオカート実況…

『羅小黒戦記』はプロパガンダではない その2 「てらまっと」氏への更なるコメント、そして『リズと青い鳥』

『リズと青い鳥』というアニメを見た。 リズと青い鳥[Blu-ray] 種﨑敦美 Amazon 山田尚子監督、武田綾乃原作、京都アニメーション制作、2018年。公開当時わたしは外国にいたような気がする。何故いま見たのかというと「てらまっと」氏が『羅小黒戦記』プロパ…

【安倍晋三】伝説の漫画映画『空飛ぶゆうれい船』をついに見た!

『空飛ぶゆうれい船』1969年、池田宏監督(クレジットは「演出」)。主演は野沢雅子。 空飛ぶゆうれい船 [DVD] 野沢雅子 Amazon 東映の長編漫画映画シリーズの一作ながらカルト的な作品として知られる本作。消費社会とか政府と武器産業の癒着とかを痛烈に風刺…

伝説のアニメーション『やぶにらみの暴君』を見よう!

ポール・グリモー監督のアニメーション映画『やぶにらみの暴君』を初めて見たのだがめちゃくちゃ面白かった! 同作は『王と鳥』として改作されてオリジナル版は回収されてソフト化もされていないとかで、見る手段がないとされている。 王と鳥 [Blu-ray] パス…

最近大学図書館に買わせた本

私は高い本は大学図書館にリクエストして買わせている。「買わせる」とか言ったら聴えが悪いけど、正当な権利の行使であるぞ。 けっこう前には『アキラ・アーカイヴ』という『AKIRA』の資料集を買わせる事に成功した。 アキラ・アーカイヴ 作者:大友 克洋 講…

フレデリック・バックのアニメーションを見よう

アニメーション作家フレデリック・バックのDVDを買って見たぞ。 木を植えた男/フレデリック・バック作品集 [DVD] ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 Amazon 「アブラカダブラ」「神様イノンと火の物語」「鳥の誕生」「イリュージョン?」「タラタタ」…

高畑勲のアニメーション観 巻き込みと客観、思い入れと思いやり

高畑勲先生の『アニメーション、折りにふれて』という本を読んだ。 アニメーション,折りにふれて (岩波現代文庫) 作者:勲, 高畑 岩波書店 Amazon 主に2000年代以降に色々な所で書いた文章を集めたものである。読むと別々の文章で繰り返し語られているテーマ…