曇りなき眼で見定めブログ

学生です。勉強したことを書いていく所存です。リンクもコメントも自由です! お手柔らかに。。。更新のお知らせはTwitter@cut_eliminationで

『古の王子と3つの花』なるアニメーション映画を観てきた!

 なかなかおもしろかった!

 3つの話からなるオムニバス。

 ミッシェル・オスロ監督作品。オスロ監督の作品は初めて観た。『キリクと魔女』というのが日本版にジブリ高畑勲先生が関わってるので観なきゃとは思っていたが。

キリクと魔女

キリクと魔女

  • アワ・セネ・サール
Amazon

 高畑先生は「客観的なアニメ」を標榜していて、『キリクと魔女』も客観的で良いとか述べていた。本作『古の王子と3つの花』も客観的で良かった。というかキャラクターの内面を強く表現するシーンがほぼなく、ほとんどが空間を水平に撮ったレイアウトなのである。これはなかなかおもしろい。切り絵というか幻燈みたいな感じである。特に2つめの「美しき野生児」という話なんかキャラクターが真っ黒で描かれていてまさに切り絵である。

 しかしそうした絵的な工夫があんまりデジタル制作と合っていないように思った。もうちょっと技術レベルというか文明レベルを落としてハンドメイドな感じの絵のほうが良いのでは。私が慣れてないだけかもしれないが。切り絵のような平面的なデザインなのに動きが滑らかすぎて違和感があった。

 1つめの話「ファラオ」は話と絵が普通すぎてちょっとアカンかった。しかし2つめの「美しき野生児」で話とか雰囲気がグッと良くなった。野生児の見た目が気になったので真っ黒で描かず色を付けてみてほしかったが。しかし赤いボールや黄色い花とのコントラストが生れていてこれはこれで。3つめの「揚げ菓子の王子とバラの王女」はトルコの建築や装飾が美しく、王女の次女のキャラクターも愉快でたいへん良かった。

 全体としては満足です。