曇りなき眼で見定めブログ

学生です。勉強したことを書いていく所存です。リンクもコメントも自由です! お手柔らかに。。。更新のお知らせはTwitter@cut_eliminationで

2021-01-01から1年間の記事一覧

「直観主義型理論(ITT, Intuitionistic Type Theory)」勉強会ノート其ノ弐拾四「宇宙」

暫定版。 あんまりわからないのでわかった点だけ箇条書きする。 これまでに導入した型はすべて有限の型である。何故なら型構築演算の反復(iteration)は有限回しかできないから。言語の表現力を上げるには宇宙(universe)を導入して超限の型(transfinite …

フェミニストと闘うための理論武装講座その1 大原則編

甲「理論武装で攻め勝ったと思うな バカタレ!」 皆さんも日々多く目にしていることだろうが、インターネッツ上でフェミニストと思われる人たちのご活躍が著しい。そしてだんだんとフェミニストというのはマンガやアニメなどいわゆる二次元の表現やポスター…

【感想】前衛的アニメ映画「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」を観てきました

なんかそこそこおもしろかった。 驚いたことに、あんまりテニスをしていなかった。マフィアとの追いかけっこが主だった。私は『新テニスの王子様』は読んでいないけど『テニスの王子様』は(だいぶ昔に)読んでいて、けっこう試合ばかりやっている印象がある…

【なぜか多い⁉︎】ネット上にある証明論的意味論の日本語文献まとめ

日本で証明論的意味論(PTS, Proof-Theoretic Semantics)を研究している人、やたらと多くないだろうか!? という感じがしているが、どうもそうでもないらしい。後述する大西先生の講義によると、大西先生の博論以降の10年弱でも研究の進展はそれほどないと…

【感想】『アーヤと魔女』を観てきましたよ

けっこうおもしろかった也。 だいぶ前から予告を何度も劇場で観ていて、正直いってそれほどおもしろくなさそうだと思っていた。CGの動きがまだまだ硬い感じで、髪の毛なんかも微妙だと思った。宮崎吾朗監督にしても、『コクリコ坂』はそんなに悪くなかったけ…

「くしゃみ→誰かが噂をしているor風邪」の哲学(アニメ「Free!」より)

アニメ「Free!」を見ている。もうすぐ新しい劇場作品をやるのだが私はぜんぜん知らないので、大急ぎで勉強している。 第3話(第1期ね)冒頭で遙がくしゃみをする。遙は、くしゃみが出るのは誰かが噂しているときだ、と言う。マンガやアニメでよくある話である…

【感想】『岬のマヨイガ』なるアニメ映画を観てきたった

なかなかキマッているアニメであった。 岬のマヨイガ (文学の扉) 作者:柏葉幸子 講談社 Amazon 手短に感想を。 特に熱い感想とかはなく。あまり良い映画作品ではないという印象である。とにかくなんだかよくわからない話だった。予告をチラッと見ただけでほ…

線形論理超入門!!

デカく構えたタイトル!! 後期に専門が違う人向けに研究の説明をする演習があるようなので、ロジックが専門でない人向けの線形論理の解説を考えたい。 自然演繹からシーケント計算へ 論理学の入門講義をとったことがある人は多そうなので、自然演繹から入っ…

『ネット炎上の研究』読書メモ

田中辰雄・山口真一『ネット炎上の研究』(勁草書房)という本を読んだので感想をメモする。2016年の本である。インターネットの世界は刻々と変化するので2016年に出た本であるという点は重要。 ネット炎上の研究: 誰があおり、どう対処するのか 作者:田中 辰…

【感想】『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』を観てきたぞ!(「個性」という設定に個性がない)

まったく期待していなかったけど意外とおもしろかった! 良かった点とソーナンス いろいろと不満もあるけれどまあこんなものでしょうというおもしろさだった。『鬼滅の刃』(以下:キメヤイ)の映画よりはぜんぜんおもしろかった。私はヒロアカはマンガはほ…

【東京オリンピック中止にならなかった記念】『AKIRA』の作画を検証する(データ、歴史、アニメーターたちの証言)

※まだちゃんとまとまってない感じの記事です。 \ラッセーラーラッセーラー/ \ラッセーラーラッセーラー/ \ラッセーラッセーラッセーラー/ AKIRA 4K REMASTER EDITION / ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray(2枚組)[4K ULTRA HD + Blu-ray] 岩田光央 Amazon 2020年東京オリンピック中止を予言(?)していたと…

【感想】『クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』【ちょっとネタバレ】

ふつうにメチャクチャおもしろかった! クレしんの映画を観るのは久しぶりである(テレビは最近はほぼ毎週見てるけど)。引越しのやつ(↓)以来である。 映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~ 矢島晶子 Amazon しかしクレしんは長寿コン…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾八・第10章4節〜11章(復習編)学園パロディとキャラクターの存在論

こちらの復習編。そして最終回。 フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon 作品の奥に存在するキャラクター 最近は学園パロディを公式でやることが多いので二次創作と言いにくくなっている。しかも原作者…

「直観主義型理論(ITT, Intuitionistic Type Theory)」勉強会ノート其ノ弐拾参「有限集合」「無矛盾性」(復習編)

こちらの復習編を簡単に。 であるが、 に添字がいるのかどうか、議論になった。 のケースを見ると機能していそうな感じはある。 除去則のオルタナティブの正当化の後半で 除去則を使えばもっと簡単だった。 型理論 (レクチャーノート/ソフトウェア学 1) 近…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾七・第10章4節〜11章(予習編)

メイク・ビリーブを題材とした雑談の記録。最終章であるよ。 他の回はこちらから。 フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon 10章後半では「非公式のごっこ遊び」というなかなか応用が効きそうな概念が出…

【感想】『サイダーのように言葉が湧き上がる』(古いものは慎重に扱いましょう……)

けっこうおもしろかった! 『映画大好きポンポさん』もそうだったが、とにかくいろいろな演出技法をこれでもかと詰め込んだ現代アニメらしい作品である。画面分割とか音楽との同期とか視点がよくわからないカメラワークとかスマホのスクリーンを鏡のように使…

【感想】『100日間生きたワニ』を観てきたった(そしてオリンピック開会式について考えた)

しつかりとつまらなかった! 観ているあいだずっと「そもそもこの映画は誰が何のために作ったのだろう?」という気持ちであった。それくらいエネルギーというか訴えるもののない作品なのである。話もよくわからないし絵も原作のイラストが喋るだけである。何…

「直観主義型理論(ITT, Intuitionistic Type Theory)」勉強会ノート其ノ弐拾弐「命題的な(?)等しさ(途中から)」(復習編)

こちらの復習編。 同一性の除去公理 わたくし的に気になったのは、プリンキピアでは性質に量化しているがITTではそれができないという点で、集合族を で束縛することもできるのに何故だろうと思った。しかしITTはどうも高階論理に対応するものではないので、…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾六・第10章1-3節(復習編)

こちらの復習編。 フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon ガリヴァーもリリパット人も存在しないのなら、彼らについての命題も存在しない。それゆえ、ガリヴァーはリリパット人に捕らえられたという命…

『竜とそばかすの姫』の感想(死ぬほどのネタバレ)

すごく微妙だった! なんだろう、この気持ち。 話の話 ビジュアルと音楽 全体的に 根源的な問題点 まとめ 話の話 なんというか、すごく変な映画だった。細田さんてこんな感じだったけか。『未来のミライ』は金曜ロードショーで一度見ただけだったからあまり…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾伍・第10章1-3節(予習編) 2.5次元と3次元の違い〜知りもしない『黒執事』を題材に〜

シリーズの他の回はこちらから。 フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon 第10章のタイトルは「架空の存在者をしりぞける」というもので、虚構的対象と言われるものを存在者として認めないとする立場を…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾四・第9章(復習編)

フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon ぶっちゃけこの章のテーマはあまり関心がないというか、知識がなくて論じれない。拙者は学部時代はいちおう文学らしきものを専攻する学科だったけど、なんだかん…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾参・第9章(予習編)

過去の回はこちらから。 フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon フェミニズムと萌え絵批判の問題について考えていて、メイク・ビリーブを援用したい所存。あと佐々木敦先生の本をチラ見したら、(もち…

「直観主義型理論(ITT, Intuitionistic Type Theory)」勉強会ノート其ノ弐拾壱「有限集合」「無矛盾性」(予習編)

直観主義型理論でごんす。 有限集合 規則 これまでの規則はすべて、ある集合(あるいは集合族)からある集合を作るものだったが、ここで導入する有限集合は前提なしに直接に与えられるものである。 によって無限個のルールがあることに注意。 形成則 前提が…

【感想】『ゴジラVSコング』を観ていたら永田裕志の影がチラついた【ネタバレ】

そこそこおもしろかった! コロナの影響でアメリカと日本で公開時期がズレまくって、アメリカではちょっと前にもうBlu-rayは出てたそうですな。 ゴジラvsコング 4K UHD 限定スチールブック仕様 [4K UHD+Blu-ray ※日本語無し](輸入版) -Godzilla vs Kong Stee…

ナチスと新書の記事にコメント

こんな記事を読んだ。 gendai.ismedia.jp 雑誌「群像」が講談社現代新書とコラボした企画らしい。それを知らずに読んだので後半で「なんで急に新書を薦めだしたのだ?」と思ってしまった。 著者の田野大輔先生はなかなかのトゥイッター強者らしく、トゥイッ…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾弐・第8章4節から終りまで(復習編)ロックを聴く・作るという経験

こちらの復習編。 フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon 音楽について。ライブで体を動かすというのを思い浮べると音楽のメイク・ビリーブがわかりやすいかも。 331ページなんかで論じられているが、…

「直観主義型理論(ITT, Intuitionistic Type Theory)」勉強会ノート其ノ弐拾「二つの集合の直和」「命題的な(?)等しさ(途中まで)」(復習編)

こちらの復習編。簡単に。 直和 は任意の集合の直和でここでは二つの集合の直和である。違いは数だけではない。 ではインデックス? ラベル? のようなものと集合族とで直和を形成したが、ここでは集合と集合からである。なので&にあった非対称性が にはない…

ウォルトン『フィクションとは何か』読書会記録其ノ弐拾壱・第8章4節から終りまで(予習編)モビルスーツやエヴァンゲリオンといった現実にありえないものの描写に"リアリティ"を感じるのは何故だろう?

メイク・ビリーブ、はじまるザマスよ! フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術― 作者:ケンダル・ウォルトン 名古屋大学出版会 Amazon 描出体の続きであるよ。 写実性 写実性(realism)についてはちょっと言いたい事例がある。ちょうど『機動戦士ガンダム …