論理学
論理学者型(INTP-T)だった! www.16personalities.com なんやねんMBTI診断って…
Mathematical Logic Advent Calendar 2023 10日目の記事として線形論理の簡単な紹介を書きました! 論理学の知識がない人でも読めます。線形型システムの話もちょっと書いてますのでプログラマの方にもオススメです! drive.google.com
研究上の都合で述語論理の意味論をちゃんと定義する必要が出てきた。 まず、とりあえず標準的な教科書である鹿島亮『数理論理学』を真似しようと思い検討した。 数理論理学 (現代基礎数学) 作者:鹿島 亮 朝倉書店 Amazon しかしこの本は解釈と真理値を閉論理…
とある論文を読んでいて余帰納法の知識が必要になったので調べた。その論文ではJacobs & Rutten "A tutorial on (co)algebras and (co)induction"で入門するとよいとあったのだが、同論文のような圏と関手を使った議論はそんなに必要そうではなかった。 で、…
加地大介『もの』を読んでいます。 もの: 現代的実体主義の存在論 作者:加地 大介 春秋社 Amazon 71ページに公理と定理が載っているが、証明が省略されているので考えた。 公理KとTが使われているっぽい。ヒルベルト式で証明体系を与えて、本書の公理を追加…
↓これの続きでごんす。 cut-elimination.hatenablog.com フィルカルの矢田部俊介「哲学的論理学入門」第3回と最終第4回を読みました。 フィルカル Vol. 5, No. 3―分析哲学と文化をつなぐ― 作者:木下頌子,和泉 悠,八重樫 徹,三木那由他,峯島宏次,飯塚理恵,佐…
↓これの続き。 cut-elimination.hatenablog.com ↓これに載っている矢田部俊介「哲学的論理学入門」第2回の感想でごんす。 フィルカル Vol. 5, No. 2―分析哲学と文化をつなぐ― 作者:山田圭一,池田喬,佐藤暁,松永伸司,銭清弘,難波優輝,村山正碩,朱喜哲,加藤隆…
またまたフィルカルだ! フィルカル Vol. 5, No. 1―分析哲学と文化をつなぐ― 作者:柳川太希,鈴木亘,青田麻未,Jean Lin,佐藤暁,吉川孝,小野さやか,玉田龍太朗,稲岡大志,矢田部俊介,大畑浩志,谷川嘉浩,一方井祐子,酒井麻依子,朱喜哲,大谷卓史,長門裕介,大戸雄…
ワシって自分が専門的にやってる分野はごく狭い範囲しか読んでいなくて関係ない哲学分野の事ばかり書いているなあと思い、自分の専門*1である線形論理(を中心とした証明論と計算の理論)に近い所の読書をする事にした。 リーディングス 数学の哲学―ゲーデル…
大西琢朗先生の以下のブログ記事が面白かった。 takuro-logic.hatenablog.com タフコ先生の論理的実在論に関する論文を批判している。形而上学の議論を論理学に当て嵌めただけで、論理学そのもののおもしろさを見逃しているのではないか、というような内容。…
不完全性定理やチューリングマシンの停止性の議論を使って人間の心は機械以上のものであると主張する人がちょくちょくいる。有名なのが大数学者・物理学者のロジャー・ペンローズ大先生である。モギケン先生もこう言っている。 チューリングマシンに万能性が…
完全性定理と不完全性定理は名前の割にほぼ関係ない別々な定理だとよく言われる。しかしじゃあどうして対になるような名前が付いているのだろう。歴史的経緯が気になる。不完全性定理は発見から暫く経ってからそう呼ばれるようになったというのは聴いたこと…
前原昭二『数学基礎論入門』で不完全性定理を勉強した。 数学基礎論入門 (基礎数学シリーズ) 作者:昭二, 前原 朝倉書店 Amazon 不完全性定理というのはもちろん哲学的にも興味深い定理だと思う*1。不完全性定理に関連して哲学の文脈でよく聴く(気がする)の…
日本で証明論的意味論(PTS, Proof-Theoretic Semantics)を研究している人、やたらと多くないだろうか!? という感じがしているが、どうもそうでもないらしい。後述する大西先生の講義によると、大西先生の博論以降の10年弱でも研究の進展はそれほどないと…
ジャン=イヴ・ジラール先生といえば、線形論理の開発者であり、他にもさまざまな斬新な業績を打ち立てた論理学界の大巨人である。ジラール先生の線形論理解説論文"Linear Logic: Its Syntax and Semantics"に自然演繹の4つの問題点というのが書かれていた。…
論理学をそこそこ勉強すると遭遇するのがラッセルのパラドクスの議論である。このパラドクスは有名なので、あるいはここから論理学に入った人も多いかもしれない。確か私はそうだった気がする。もうあんまり覚えてないけど。 このパラドクスは現在の標準的な…
※この記事はエイプリルフールのビッグウェーブに乗り遅れないように焦って書いたので、内容が凄くテキトーです。のちのちちゃんと勉強して推敲してアップデートします。 「私は嘘つきです」というやつです。論理学っぽく書くと「この文は偽である」。 (1)「…
ロジックを勉強していたら誰もが(?)出くわす束縛変数の名前の付け替えのやつをまとめたいのよ。 以下のことを書いていて気づいたのだが、"Basic Proof Theory*1"(以下:BPT)には式 expressions や論理式 formulas の定義がない。subformulas の定義はある…
春ですね。大学新入生の皆さん、合格およびご入学おめでとうございます。いや〜大学って本当にいいもんですね。そんな私は大学院生です。専攻は哲学。哲学といってもいろいろあって、そのなかでも論理学を専攻します。本記事は主に人文系の大学新入生の方む…
岡本賢吾先生は東京都立大学の哲学の教授で、専門は論理学・数学の哲学と情報の哲学とある(https://www.comp.tmu.ac.jp/philosophy/contents/staff/okamoto.html)。中央公論新社『哲学の歴史』の分析哲学編である第11巻で、ヒルベルトやブラウワーを中心と…
Troelstra先生とSchwichtenberg先生*1の"Basic Proof Theory"もまあ必読書なのでしょうな。頑張ります。 単純型付ラムダ計算の代入補題についてメモ。 代入は以下のように項の複雑性によって帰納的に定義される。 , ( でないとき*2), , , ( でないとき。w…
これまで完全性定理やカット除去定理についてごちゃごちゃ書いてきて気づいたことがある。他の分野の数学の定理ではあまりないのかもしれないが、ロジックのメタ定理というのは、独特の語りにくさ? みたいなのがある。完全性定理だとかカット除去定理だとか…
完全性定理も中途半端なところで停滞しているのに、新シリーズとしてカット除去定理を考える。カット除去定理もロジックの教科書ではよく登場していて*1、その証明は完全性定理以上に教科書ごとに個性が出ている。そういうのを比較考察していきたいのだけれ…
このシリーズのなかでたびたび混乱した感じになってしまっていたことがあった。鹿島亮『数理論理学』で証明されている完全性定理は「等号付き一階述語論理の強完全性定理」というやつである。このことをハッキリ意識しておかなくてはならなかった。 鹿島本で…
完全性定理の証明のなかでモデルを作るわけだが、それをちゃんと理解するためには真理値の定義をちゃんと確認しなければならない。命題論理の場合はいわゆるブール値というのをおさえておけばいいので簡単な話と思うのだが、述語論理に関してはけっこう難し…
一階述語論理の完全性定理の証明をちゃんと理解するためにいろんな教科書の見比べるシリーズの第2回です。鹿島亮先生の『数理論理学』は特に工夫をいろいろしているようなので、今回もそれです。数理論理学 (現代基礎数学)作者:鹿島 亮発売日: 2009/10/01メ…
一階述語論理の完全性定理は論理学の最重要定理の一つであり、多くの教科書に証明が載っている。で、当たり前だが教科書によって証明のしかたが異なるので、いろいろな教科書の証明を比較することで理解を深めようというのがこのシリーズである。そういう勉…