曇りなき眼で見定めブログ

学生です。勉強したことを書いていく所存です。リンクもコメントも自由です! お手柔らかに。。。更新のお知らせはTwitter@cut_eliminationで

文学

新千歳空港に閉じ込められた漢 第3話「神聖喜劇」

↓の続きです。 cut-elimination.hatenablog.com 空港の床で寝る覚悟を決めた私。屋内に戻り、エスカレーターで4階へ向かった。 4階フロアに着くと、すでに同じ覚悟を決めたたくさんの人たちがいた。何百人か何千人かわからないが、床に荷物を置いて場所を確…

『赤毛のアン』(松本侑子訳)を読んだ!

私は高畑監督のアニメ『赤毛のアン』が大好きなのだけど、原作をまだ読んでいなかった。この度ようやく読んだ。『ハイジ』に続き。 ↓松本侑子という人の新しい訳。 赤毛のアン (文春文庫) 作者:L・M・モンゴメリ 文藝春秋 Amazon この前読んだ『ハイジ』は抄…

『アルプスの少女ハイジ』の原作を読んだ!(ヨハンナ・シュピリ)

アニメの『アルプスの少女ハイジ』は好きだけど原作は読んだことがなかった。というかブックオフで買って積読していた。このたびちゃんと読んだ。関泰祐・阿部賀隆訳。 アルプスの少女ハイジ (角川文庫) 作者:ヨハンナ・シュピリ KADOKAWA Amazon 驚いたのが…

ダンテ『神曲』(原基晶訳)を読んだ!(ダンテはたぶんヒマだった)

世界文学史上の傑作でごんす。 超有名作品だけど読んだことがなかった。なんとなく思い立って読んでみた。ポピュラーカルチャーも含めいろいろな分野に影響を与えているので、一度は読んでおきたい作品ですな。 講談社学術文庫の原基晶先生の訳のを読んだ。 …

宮田恭子編訳、ジェイムズ・ジョイス『抄訳 フィネガンズ・ウェイク』というのを読んだ!(考察の時代に読み返されるべき)

晩年はジェイムズ・ジョイス研究者になろうと半分ガチで思っている私。そんな私だが、初めてちゃんと『フィネガンズ・ウェイク』に挑んだ。 フィネガンズ・ウェイク 抄訳 作者:ジェイムズ・ジェイムズ・ジョイス,ジェイムズ・ジョイス 集英社 Amazon 『フィ…

市立小樽美術館・文学館に行ってきた

小樽は札幌からすぐ行けるのに初めて行った。 まず小樽駅の手前の南小樽駅で降りて、「みかん」というラーメン屋に行った。そこそこの行列。「すみれ」という札幌の有名なラーメン屋から暖簾分けされた味噌ラーメンの店である。味はすみれとそう変わらなかっ…

谷崎潤一郎『細雪』という小説を読んだ!(早よ結婚しろ!)

名作文学をいろいろ読むシリーズ。谷崎潤一郎の代表作『細雪』を読みました。新潮文庫で。 細雪(上)(新潮文庫) 作者:谷崎潤一郎 新潮社 Amazon たいへん長い小説で、上中下と3つのパートに分かれている。文庫もそれにあわせて全3冊。 谷崎というとエロス…

晩年はジェイムズ・ジョイス研究者として余生を送りたい……

私はいま博士課程で論理学を研究していて、今後も論理学の研究は続けていく所存である。研究を仕事にできるかどうかはわからない。計算機科学に近い分野なので、IT関係の職に就いて働きつつ細々と論文を書くという未来も構想している。 なのだけれど、そこか…

ナボコフ『ロリータ』という小説を読んだ!(主人公がド変態で引く)

いろいろ文学を読んでます。 アニメ論とかオタク論とかを嗜んでいると、ロリコンというものについて考えざるをえない。ロリコンを論ずるならば「ロリコン(ロリータ・コンプレックス)」の語源になった小説を読んどかないとなあ、と思い、ウラジーミル・ナボ…

クッツェー『サマータイム、青年時代、少年時代─辺境からの三つの〈自伝〉』という小説を読みました

めちゃくちゃおもしろかった。私小説執筆の参考のために読んだ。 サマータイム、青年時代、少年時代──辺境からの三つの〈自伝〉 作者:J・M・クッツェー インスクリプト Amazon 著者は南アフリカ出身のノーベル文学賞作家。前に『恥辱』というのも読んだこと…

村上龍『愛と幻想のファシズム』というメチャクチャな小説を読んだ!(ついでに庵野秀明論)

近代文学をいろいろ読んでいた私だが、趣向を変えて1984年から連載された村上龍『愛と幻想のファシズム』を読んだ。 愛と幻想のファシズム 上下巻セット 講談社 Amazon 『限りなく透明に近いブルー』という私小説っぽい作品でデビューした龍だが、この作品で…

漱石・鴎外の短編をいろいろ読みました(夢十夜・舞姫・山椒大夫・高瀬舟)

相変わらず文学をいろいろ読んでいます。 今回は漱石と鴎外の短編をいくつか。 夏目漱石「夢十夜」(1908) 夢を描いた10個のショートショート連作。「こんな夢を見た」という書き出しが有名だが、これで始まるのは10話のうち一部だけだったりする。 夢らしく…

近代私小説をいろいろ読んだので感想をば(田山花袋、葛西善蔵、嘉村礒多)

相変わらず日本の近代文学をいろいろ読んでいます。最近は私小説をいくつか読んだので感想をば。なぜ私小説かというと、私も書いてみたいと思っていて、その参考にと。 田山花袋「少女病」(1907) 田山花袋といえば「蒲団」が有名だが、その少し前に書いたの…

谷崎潤一郎の小説をいろいろ読んだので感想

芥川龍之介(↓)につづき谷崎潤一郎文学をいろいろ読みました。 cut-elimination.hatenablog.com 芥川は晩年どんどん病んでいったが、谷崎はけっこう精神が安定していたらしい。自分の欲望を上手く作品にできていたからだろうか。芥川とは別方向で「曝け出して…

どうすればズルズル長生きせずスッパリ死ねるか、みんなで考えよう(「スッパリ死ぬ学」の提唱)

投資の本を読むとライフプランを考えろとか書かれている。そういうのを見ると暗澹たる気持ちになる。親が死んで自分も働けなくなった後のお金を考えなきゃならないわけだが、そんな未来までお金に悩まされて生きることになるのか。社会にとって無価値になっ…

「精神的な囲い込み」に抗う

Wikipediaの『1Q84』のページに引用されていて知ったのだけど、同作が出たときのインタビューで村上春樹はこんなことを言っている。 「僕が今、一番恐ろしいと思うのは特定の主義主張による『精神的な囲い込み』のようなものです。多くの人は枠組みが必要で…

芥川龍之介の小説をいろいろ読んだので感想を書いていく

↓先日こんなのを書いた。 cut-elimination.hatenablog.com アニメを論ずるうえでも文化史の教養が必要と痛感し、文学なんかも読んでいこうと思った次第。手始めに、短くて読みやすい芥川龍之介の小説をいくつか読んだ。有名でタイトルは知っているけど読んだ…

パロディや内輪ウケはくだらないのか(『負けヒロインが多すぎる!』と『ドン・キホーテ』)

最近『負けヒロインが多すぎる!』なるアニメに注目している。いま第4話まで放送されたところ。 私は、最近のアニメは「絵の手の混み具合」と「話のくだらなさ」が釣り合っていないものが多いと感じている。ビジュアル面で力の入った作品は多い(それが必ず…