70年代テレビアニメをいろいろ見ていたので、ついでに『未来少年コナン』も見返した。
当ブログで取り上げた『母をたずねて三千里』『ガンバの冒険』とともに、テレビアニメ史上の最高峰の一作である。宮﨑駿の初監督作品。
本作にはアニメというもののおもしろさが詰っている。海の冒険、空の冒険、戦い、友情、恋、正義、悪、ロボット、かわいい動物、などなど。そしてダイナミックだがシンプルで美しい構図と、いちいち小気味いいアクションやポーズ、ワクワクするような物語、どれも一級品である。主演の小原乃梨子さんやダイス役の永井一郎さんも私は大好き。
このたび見返してみて、特に印象的だったのは物語とキャラクターの魅力である。魂がこもっている。駿が世の中に伝えたかったであろうエネルギーのようなものが、コナンの行動や戦いを通して伝わってくる。監督の野心が鬱屈せずに創作に繋がっている感じがいい。主人公の朗らかさと冒険の雄大さに繋がっている。これに比べると、最近のアニメはなんと世界が狭いのだろうと思うのである。