非常におもしろかった!
ひさしぶりにテレビアニメにハマった。
ガールズバンドものといえば『ぼっち・ざ・ろっく!』も流行った。
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同作の感想で私は、キャラクターの声の演技の弱さと掛け合いの不足を指摘したのだった。対して本作『ガールズバンドクライ』は、新人役者たちの声の演技が素晴しく、また花田十輝脚本の言葉の応酬も見事である。
主人公のあらゆるものに反抗する態度に、私は映画『大人は判ってくれない』を思い出した。
フランス・ヌーベルバーグの傑作である。智というキャラクターが母親の不倫現場を見てしまうシーンは同映画のオマージュかもしれない。それはわからんが。
CGによるビジュアルも新鮮である。プロデューサーのインタビューを読むとなかなかおもしろい。
本作の狙いは「イラストルック」なるものらしい。キャラクターデザインはVTuberの星街すいせいのデザインなんかもやっている手島nari氏で、こういう最先端イラストレーターらしい複雑なデザインのキャラクターが、イラストのまま動くことを狙ってCGを作っているとか。なるほどである。昨今のアニメは、イラストの影響かデザインが凝りすぎてアニメとして動かすのが困難になっているわけだが、CGならそれが(めっちゃ頑張れば)クリアできるのだろう。本作も眼や衣装のデザインは凝っているものの、それが自然に動いている。しかもアニメらしい表情や仕草のメリハリもある。素晴しい挑戦である。
それとCGだと演奏シーンもハイクオリティにできるのが良いね。手描き2Dアニメでも演奏シーンはCGで作ったりするのだから、はじめからCGの本作は強い。同じく花田先生脚本の『響けユーフォニアム3』がなかなか演奏シーンを描かないのはやはり大変なのだろうなあ。