曇りなき眼で見定めブログ

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『羅小黒戦記2 〜ぼくらが望む未来〜』感想その5 具体性のあるアクションとカメラワーク、いわゆる「オナニー作画」との違い

 アクションについてさらに書きます。↓の続き。

cut-elimination.hatenablog.com

 前回は羅小黒戦記のアクションには説得力があると書いたが、その源泉は「具体性」にあると思う。

 例えばムゲンがいかに強いかというのは、転送門の前で多くの強豪妖精たちをあしらうシーンでよくわかる。そのあしらい方が、下手なアニメだったらなんか手をかざして「ハッ!」とかやってドカーンで済ませそうなものだが、本作は違う。入れ替わり立ち替わり立ち向かってくる妖精たちを、次々と具体的な技であしらっていく。棒を使って太極拳みたいな動きで跳ね返したり、金属を操って攻撃したり。いちいちに具体的なアイデアが光っている。

 具体性といえば、もうひとつ別レベルの具体性として、カメラワークについても言いたいことがある。本作はアクションシーンで高速でカメラが動くが、それが決して見にくくない。これは何故かと考えるに、具体的な意図があるからだろう。カメラを動かしていても、何を映したいかにブレがなく、カメラを動かすことで見せたいものが伝わってくる(なんか私の説明が具体性なくてアカンけど、まあ察してください)。

 昨今の深夜アニメでは、やたらとカメラを動かすわりに具体的な意味の乏しいシーンがよくある。アニメーターが力を誇示したいのはわかるが、おもしろさに結びついていない。こういうのはオナニー作画とか言って揶揄されるが、それと羅小黒戦記との違いはやはりアイデアの具体性だろう(ちょうどさっき見てた『呪術廻戦』第31話のネズミが出てくるシーンは、だいぶ良いほうだがややオナニー感があった)。何がやりたいか、何を見せたいかが明確なのである。ただいたずらに動いているだけではない。

 

 追記:続きは↓です。

cut-elimination.hatenablog.com