曇りなき眼で見定めブログ

学生です。勉強したことを書いていく所存です。リンクもコメントも自由です! お手柔らかに。。。更新のお知らせはTwitter@cut_eliminationで

フレデリック・バックのアニメーションを見よう

 アニメーション作家フレデリック・バックのDVDを買って見たぞ。

「アブラカダブラ」「神様イノンと火の物語」「鳥の誕生」「イリュージョン?」「タラタタ」「トゥ・リアン」「クラック!」「木を植えた男」「大いなる河の流れ」の9作品を収録している。

 特に「木を植えた男」はアニメーション史に残る傑作で必見でござる。また「クラック!」は高畑勲先生が絶賛していた。これら後期の作品は『かぐや姫の物語』に多大なる影響を与えている。

 高畑らの日本のアニメーションにある雄大な三次元的世界はバック先生の作品にはないのだが、一人称的な視点で滑るように動くレイアウトが特徴的。むしろ描くべきキャラクターや世界の全体像を描かない事で想像力の余地を残しているのが良い。こういう発想は高畑先生に受け継がれた。

 鉛筆による暖かい線と印象派絵画のような美しい色彩が後期作品の特徴である。

 初期作品では私は「アブラカダブラ」の色使いとデザインが好き。

 全体的に物凄く辛辣に文明を批判している。そういうのを白人男性がやるのはどうなんだみたいな視点も現代ではあるだろうがまあまあまあ。

 ノルシテインの記事でも書いたけど、日本の型に嵌りまくったアニメに飽きたら見るべき独創に満ちた世界である。

cut-elimination.hatenablog.com