曇りなき眼で見定めブログ

学生です。勉強したことを書いていく所存です。リンクもコメントも自由です! お手柔らかに。。。更新のお知らせはTwitter@cut_eliminationで

【徹底批評】スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースを観たぞ!(ヒーローは家庭の事情で悩みがち)

 めっちゃ疲れた!

 風邪っぽい状態で観た。帰ったら微熱があった。周りの席の方ごめんなさい。まあ隣はけっこう離れていたが。

 なので上映中頭がガンガンだった。というのは私が悪いので、作品に対してはできるだけ客観的な評価をしたいところ。しかしそれを差し引いても140分間刺激的な映像が続きすぎじゃないかと思った。もうちょっと緩急の緩をつけて欲しい。

前作も見た

 前作を見ていなかったのでアマプラで見た。

 革新的な映像の作品である。2コマとか3コマ打ちで撮っているらしい。私は海外のアニメーションは動きがヌルヌルしすぎて重量感がないと常々思っているので、これは大変良い。2コマや3コマのアニメーションは見慣れていない人にはカクカクして見えるようだが、日本アニメが普及したことで問題なくなったのだろう。

 コミックの絵のようなアニメーションになっているのも制作陣の狙いらしい。吹き出しとか文字が画面に挿入されたり、アクションのキメのところで静止画になったりする。そもそも3DCGでありながら線を重視している。こういう演出の発想もすでに日本アニメっぽくて親近感がある。

本作の映像

 前作でもそうだったが、異なる宇宙のスパイダーマンを異なる画風で描いていて、その表現が更に多彩になっている。米津玄師みたいなスパイダーマンが出てくるがそれは手描きのアートアニメーション風だったりする。なんならフレデリック・バックみたいな。そういうのは見ていて楽しい。手間もすごいだろう。

 それとは別で、雰囲気に合せて背景が油絵っぽくなったり水彩っぽくなったりもする。しんみりしたシーンではカンジンスキイ*1の絵みたいになることもあった。心理的な表現は日本のアニメと比べてあまりアメリカのアニメーションでは発達していない印象だが、頑張ってひきだしを増やそうとしている印象。けっこう力技には感じたが(流石に庵野秀明の方が上手い)。

 日本アニメっぽさでいうと、ジャンプしてキックするときに極端なパースでポーズをつけて静止画になるところがあり、これは吉成曜とかガイナックスやトリガーの作画を彷彿とさせる。他にも板野サーカスっぽいところもあった。

マルチバースってなんやねん

 マルチバースという設定を私はくだらないと思っている。いろいろと大人の事情があるのも分るけど、話として陳腐なのをなんとかすべきであろう。もはやありがちな設定だし、ヒーローが並行宇宙の鍵を握るとか思い上がった設定に思える。

家庭の事情で悩むな!

 長いこと「ヒーローらしくないヒーロー」「ヒーローであることに苦悩するヒーロー」みたいなのが流行っていて家庭の事情で悩んだりするが、私はまあしゃらくさいと思っている。ヒーローものって時点でバカげてるんだからバカげたものを作っとけばいいんじゃなかろうか。ちょっとリアリティ出そうとするんじゃないよ。

つづくんかい!

 これ話はちゃんと終るんだろうな…と思って見ていたらまさかの「つづく」だった!

 あのペンタゴンブラックホールを足して2で割ったみたいな敵もちゃんと倒してくれ!

*1:カンディンスキーのロシア語発音です。