70年代の名作アニメを見返すシリーズ。これもひさしぶりに見た。1971-72年放送。
モンキー・パンチによるマンガが原作。マンガも斬新な絵柄と雰囲気で人気だったようだが、アニメでさらに人気になって国民的作品となった。
第2シリーズのテレビアニメと宮﨑駿監督の劇場版『カリオストロの城』がルパンのイメージの大部分を形成しているっぽい。しかし第1シリーズの特に序盤はかなり雰囲気が違う。もっとシリアスで大人な雰囲気の作品として始まった。だが低視聴率に苦しみ、大隈が降板して高畑勲・宮﨑駿に演出が交代する(クレジット上は「Aプロ演出グループ」)。演出が交代するとコミカルな演技や展開が増えるようになる。このへんの経緯はいろいろ研究があるようだけど私はあまり詳しくない。
この高畑・宮﨑路線で人気が出た『ルパン』だが、大隅バージョンにも根強いファンがいる。今回見返してみて、序盤はカットバックとかストップモーションとか、あまり高畑・宮﨑がやらなそうな技巧的な編集があっておもしろいと思った。
演出交代後だが、見返してみて駿色が思ったより強くて驚いた。へんな飛行マシンがいろいろ出てくるあたりは駿の趣味だろう。妙な機械仕掛けや狭苦しい街並みを失踪する感じも駿らしい。14話から不二子がショートヘアになったのも駿の趣味だとか。ルパンと次元のクルマがフィアットというイタリア車になったのも。
原作も良いし(ちょっとしか読んだことないが)大隅演出も宮﨑演出もそれぞれがプラスに働いて『ルパン』は国民的作品になったのだろう。だがそれに加えてやはり大きいと思ったのが、主演の山田康雄の存在である。声も魅力的だし、演技が独創的である。モノマネする人も多いが(モノマネしていたクリカンが本物の2代目ルパンになったし)、そういうモノマネしたくなるような類型を一から完成させてしまったのだから偉大である。本人は「声優」と呼ばれるのを嫌っていたというけれど、声の演技の天才だろう。
みんなも見よう! ワルサーP-38ぃ〜
