↓前にもメモ記事を書いたが、私は吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を読んでから今回の『君たちはどう生きるか』を観た。
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で、そんなに話の本筋とかテーマとは関係なかったわけだけれど、しかしやはり読んでおいて良かった部分もある。それについて書いとく。
映画の中で本書は、主人公に対して亡くなったお母さんが遺してくれた本として出てきた。主人公の眞人は、継母と気まずかったり学校でトラブルがあったりで落ち込んでいたところで、この本を読んで泣くのであった。そんなに泣くような本ではないのでちょっと違和感があったのだが、なぜ泣いたのか? 本の方の主人公のコペルくんもやはり学校で友だちと気まずいことになる。そして更に体調を崩して寝込んでいるときに、お母さんといろいろ話して得るところがあるのである。眞人はそこを読んで泣いたのかもしれない(チラッと本のページが映っていたのでちゃんと調べればわかるかも)。お母さんを思って。ただまあお母さんがこういう本を遺してくれたという感慨も乗っかって泣いたのだろうが。
それと映画の最後の方で眞人が大叔父に「友だちを見つけます」と宣言する。これも本の方が友情の素晴しさを説くものなので影響を受けたのかもしれないと思った。
そんで「君たちはどう生きるか」というフレーズはイカツイが、本も映画もそういうテーマを押し付けるものではないので(本の方は末尾にだけこのフレーズが出てくる。映画は出てこない)、あんまりタイトルは気にせず読んだり観たりすべきだと思う。