曇りなき眼で見定めブログ

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【安倍マリオ】マリオの映画を観たぞ!【ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー】

 大変おもしろかった!

 けっこう感動してしまった!

 私はゲームをまったくやらないのでキャラクターとか話とかまったくわからなかったらどうしようと思っていたが、もこう先生のマリオカート実況動画をよく見ているので割と大丈夫だった。特にマリオカートのシーンは感動した。


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 ゲームの世界をアニメーションにした訳だが、ゲームを知らないただのアニメ好きの私にも楽しめた。マリオのゲームはいわゆる横スクロールというやつで、マリオカートも乗り物の背後に視点が固定されていたりするが、本作は映像なのでカメラワークというものがあって、それが大きい。俗な言い方をすると、ゲームの世界の中に入ったような映像が楽しめる。出てくるアイテムとかシステムはゲーム的だが、体感としてはけっこうゲームとは違うのではないか。ゲームの良さを活かしつつ映像として面白くなるよう工夫している。(それでいて最初の方で横スクロールを再現したようなシーンもあっておもろかった。)

 スターを使ってクッパを倒すのは、少しでもゲームを知っていたら、なんの意外性もない訳だが、何故か普通に感動した。何故だろう。

 そもそも海外のCGアニメーションもあまり見ない私だけど、新鮮で良かった。帽子の布のキメまで描く細かさのわりに動きが軽いのは変な感じだが、まあそういうものと思えば面白い。日本の一流のアニメは各カットのレイアウトが面白くなるようにアングルとかを計算して作るけれど、本作はロケーションを美しく魅力的に作ることで、どう撮っても良い画になるようにしていると感じた。この辺りは日本のアニメとの思想の違いであろう。まあ日本のアニメは量産されすぎてそんなレベルに達していないものが多いが。キノコの色合いとか良かった。

 最近の「なろう」系なんかだと当り前のようにヨーロッパ風の世界と「HP」だの「スキル」だのといったデータが出てくる。こういうのは人工的、つまり不自然で、良いと思わない。本作も[?]のやつを叩くだけでアイテムが出るのだけは人工的な感じがするが、しかし出来るだけデータとか数値に頼らず視覚的・感覚的に理解できるようにデザインやインタフェースが作られている。これは原作のマリオのクリエイターが凄いのだろう。

 任天堂のこうした視覚的な完成度の高さは、80年代にアニメーターの小田部洋一氏が入社して指導した影響がけっこうあるらしい。小田部先生と言えば当ブログでもたびたび取り上げているが、高畑勲宮崎駿らと東映の漫画映画や『アルプスの少女ハイジ』を作った偉人である。「キャラクターデザイン」というのは『ハイジ』において小田部先生の役職としてクレジットされたのが最初とされている。つまり日本から世界に発信されるキャラクターとか視覚文化の礎を築いたのが小田部先生である。本作のエンディングにも小田部先生の名前がクレジットされていて、嬉しくなった次第。そういう点では本作も日本の漫画映画の伝統の継承者なのかもしれない。

 あと上映中となりに座っていた小学生の男の子が終始楽しそうで良かった。ゲームが好きなのかも。日本のアニメもそういう作品を作らんとなあ。