最近ディズニー+に入会してディズニー作品をたくさん見ているのだが、ついでにフライシャー作品も見たろと思い、前から見ようと思っていた『バッタ君町に行く』を見た。1941年公開。
↓Not An Animation Historianという昔のアニメーションを修復して公開する謎のYouTubeチャンネルが公開している高画質版を見た。
自動生成の英語字幕で見たのでところどころセリフがわからなかったがまあまあまあ。
何故この作品が気になっていたのかというと、アニメ界の大御所たちに影響を与えていると聴いていたので。ジブリが権利を持っていてジブリ配給で公開したことがあるのだがそのときのサイトがこちら↓。
錚々たるメンバーがコメントしている。特に駿と庵野さんの本作への傾倒は聴いていた。
で、見たのだけど、大変おもしろかった。驚異のクオリティである。同時期のディズニー作品と比べても勝っているんじゃなかろうか。ディズニーはおとぎ話を作っていたが、本作はもうちょっと厳しい話になっている。また小田部先生のコメントにもある通り「誇張の遠近の深さ」の感覚がディズニーよりも強い。そして庵野さんの言うような虫と人間の表現を分ける工夫も斬新でしかも上手い。
作画が素晴しいわけだが、虫と人間でそれぞれ素晴しい。虫のほうは身振り手振りがダイナミックである。ディズニーのゆったりした動きと比べてテキパキしている。駿に影響を与えている感じがする。また磯氏が褒めている通り終盤の工事と建設のシークエンスもまたおもしろい。虫から見た人間の営みの巨大感とシステマチック感が上手く表現されていて、こちらは磯氏に確かに影響を与えているようだ。