『空飛ぶゆうれい船』1969年、池田宏監督(クレジットは「演出」)。主演は野沢雅子。
東映の長編漫画映画シリーズの一作ながらカルト的な作品として知られる本作。消費社会とか政府と武器産業の癒着とかを痛烈に風刺している。
原作は石森章太郎。キャラクターとかコスチュームのデザインも石森風。あと身体が泡になって溶けるのとか仮面ライダーで見たことある(というかシン・仮面ライダーに出てきた)。それとやたらとSF設定が凝っていたりとか敵組織の背後に更なる敵組織があったりとかも石森テイストなのか。
巨大ロボット「ゴーレム」が街を破壊するシーンは宮崎駿先生の原画らしい。ビルの破片が細かくて良かった。
ちょっと尺不足か話が唐突なのだがまあまあまあ。むしろいろいろ詰め込まれてるのが本作の魅力かも。
ホラーかと思ったらそうではなくて、構成が面白い。作中で繰り返し流されるボアジュースのCMも消費社会としょうもないメディアを見事に象徴している。けっきょく真の敵はそういうのに踊らされる大衆なのである。
しかし野沢雅子さんはこんなに昔から途切れずに主役級をやっていて凄い。