まあまあだった!
前半はなかなかおもしろかった!
家族連れがたくさん入っていて安心した。
去年のクレしん映画は気に食わないところがあってけっこうディスった。
cut-elimination.hatenablog.com
今年も気に食わないところはいろいろある。
しかし冒頭に書いた通り前半はかなりおもしろかった。話のテンポもよいしナナはかわいいし。恐竜の作画もしっかりしている。しっかしりているだけに実は本物の恐竜じゃないとわかって残念感があるのだが(車輪のついた恐竜とかかなり残念な造形だった)。
恐竜の正体はロボットだったわけだが、それにしても恐竜たちの命が軽く扱われすぎに思った。これが本作を観ていて最も違和感の大きいところだった。ロボットに命はないのかもしれないが、AIを搭載して傍目には本当の生き物のように見えるのだから、本当の生き物と同じように苦痛を感じても不思議ではない。終盤で恐竜ロボットたちがレギュラーキャラクターたちに次々ボコられていくのが可哀想だった。少なくとも『ロボとーちゃん』の精神には反するのでないか。
命という点で言うと、最後ナナが死んでみんな大声で泣いて終わりというのは、まあダメな映画がやりがちな展開である。悲しい出来事を泣きで表現したら観客も泣くだろうというのは安易だし、べつに泣ける映画が良い映画というわけでもなかろう。もうちょっと、状況を客観視しても変じゃないように押し付けがましくない感じで作ってもらえんか。恐竜を甦らせるというのも人間のエゴの押し付けだろう。恐竜が甦ってもナナが甦るわけでなし。
この客観性のなさは画面構成の点でも現れている。前半に比べ後半が盛り上がりきらなかったのは、都市に現れる恐竜という恰好の材料を上手く表現できなかったからだろう。一つ一つの恐竜の描写が唐突かつブツ切りに感じた。もっと状況を客観的に描けたら恐竜ゆえの盛り上がりが生まれたのでは。
やたら古いネタが多かった。LOVEマシーンは親世代に通じるかもしれないが、タモさんのイグアナとか「イグアナの娘」とかは古すぎるんとちゃうか。私はおもしろかったが。
あと親子のいざこざみたいなモチーフはあの敵のキャラとあまり合っていないような。
そして地味に重要な批判をもう一つ。子ども向け映画にしてはやや長すぎる気がする。100分以上あった。80〜90分にまとめるべきではないか。観てる子どもらが終盤飽き気味だった。
と、なんかディスりばかりになってしまったが、やはり前半はおもしろかった。それとゲストヒロインが妙にかわいかったのもよい。ちょっとオタク向けのキャラクターかもしれんが。
