曇りなき眼で見定めブログ

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『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』とかいう漫画映画を観てきた!(あのちゃんは現代のスター)

 あんまりおもしろくなかったのだがまあ前編だしこんなもんでしょう。

 後章が延期(!)されて2ヶ月も先になるので、もっと後で観ようかとも思ったが、あまり客入りが良くないようですぐに消えそうなので、急いで観にいった。回数は減って箱も小さかったが、それなりに入っていた。

 雪はかなり溶けました。

 原作は未読。私は浅野いにお作品は短編・中編しか読んだことがない。しかし総じておもしろい印象。

 原作の連載期間は2014-22年とのこと。始まった頃はまだ大震災や原発事故の記憶が色濃く残っていたのでしょうな。災害による日常の崩壊や科学・社会への懐疑がテーマとしてある。しかしコロナウィルスやワクチン懐疑論を経たいま、本作は別なアクチュアリティも獲得してしまっている。この点は興味深かった。

 印象として、とにかく絵が地味である。工夫ととれるのは、いにお先生っぽい背景の処理くらいで、なんというか映像としてつまらなかった。もっとサイケデリックな感じを期待したが。キホが死んだ後のみんなが泣くシーンとかあまり感動的でなくて、もっとやりようがあったような気がしてならない。クリスマスパーティのところで5人で抱き合うシーンなんかも漫画のコマをまんま持ってきた感じで、リズムが映像的でなく、下手な印象を受けた。円盤からひらがなのようでひらがなでない文字が出ているのは、あれは原作が漫画なので「言葉ならざる言葉」を表現するための技法としてそう描いたんじゃないかと思うのだが、音の出る映画であんな風に描くのはどうなのか。アイデア不足じゃなかろうか。

 もうちょっと書いとくと、原作の問題かもしれないが、メカやミリタリーへの愛というか興味を感じない。平和な街に自衛隊や戦車、みたいな構図はアニメ好きならば『機動警察パトレイバー2』を連想するだろう。同作は日常に兵器という不穏なものが侵入する感じを見事に描いたアニメ史上の傑作である。本作を観て比べることで、やっぱり押井守ってすごいんだな〜と思った。

 とはいえ前編なわけで、映像的におもしろいところはまだ後編にとってあるのでしょう。と思うがだったら延期などせず迅速にお届けして欲しかったところ。まあ頑張ってクオリティを上げてもらいたい。

 以前観た『ハイキュー!!』映画は妙に短かったが(実際まあまあ短い)、本作は長く感じた(実際まあまあ長いが)。

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たぶん「ここがクライマックスかな」というところからやたらと長い回想(?)に入るからだろう。これは原作がそうなんだろうが、構成があまり映画っぽくないと感じた。脚本は傑作も駄作もとにかく書きまくっている吉田玲子氏の模様。傑作も駄作も書いている人だから脚本家の力量の問題かどうかは判断しかねる。

 けっこうディスったが、あのちゃんは天才だと思った。演技も上手いし、エンディングの歌も上手い。というかデスボイスが上手い。いくらちゃんがあまりデスボイスが出てないので余計に。あのちゃんは現代のスターじゃなかろうか。

 いくらちゃんが『竜とそばかすの姫』に出演していたことを覚えているのは私くらいのものでしょう。