てらまっと氏が『リズと青い鳥』を題材として取り上げた論についてコメントした。
cut-elimination.hatenablog.com
ついでにてらまっと氏が同作を直接的に論じたブログ記事も読んだ。
これはそんなに悪くなかった(なんか偉そうですみません)。『羅小黒戦記』論は猛烈に批判したくなるくらい悪しきものだったが、これはそんな事はない。
ただやはりベンヤミンとか引き合いに出す必要があったのかどうか。どうも疑似テツガクっぽくてなんか嫌だ。人文知「ごっこ」感がするというか。
山田監督が癖とかの細部を意図的に写しているというのはその通りだと思うが、実例が少ないように思った。その割にベンヤミンとかアフォーダンスとかトトロの記述は多くてちょっとおかしい。
また何を描いているかだけでなくどう描いているかも重要だろう。てらまっと氏はそんなにアニメ氏とかアニメ技術に興味がなさそうな感じがする。ベンヤミンとかには詳しい割にアニメを語る語彙は少ない感じ。
癖と服のシワはまあ細部と言って差し支えなかろうが、まったく異なる種類の「細部」のような気がしなくもない。これらを同列に扱うのはどうなのか。それと歩行に関してはどうして取り上げたのか判らない。
やはり理論が先行していて作品にはそれほど興味がないのか、という疑念は残った。