予告を見てあまりおもしろそうではなかったのだが、最近観るものもなくちょうど時間が空いていたので観てきた。結果、予想通りそんなにおもしろくなかった。
帰りに湿った雪が降っていてかつ足元がぬかるんでいてアカンかった。
話は前に見た『バッタ君町に行く』に似ている。フライシャースタジオの傑作である。
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これと比べると本作『フライ!』の微妙さが際立つ。
鳥たちが饒舌なのに対し人間が人語を話さない。これによって人間の怪物感を演出しようとしているが、人間のサイズがちょっと小さすぎるのと、鳥も人間も同じような撮り方をしてしまっているのとで、いまいち効果がない。鳥たちの世界に人間が介入したときの恐ろしさが感じられないのである。この点で『バッタ君』は実に斬新かつ効果的な演出をしている。見てみてね。
撮り方で言うと、ドタバタ描写も終始主観的かつ単調で、ダイナミックさと切迫感がない。キャラクターがバタバタしているだけでどんな惨事が起きているのか伝わってこなかった。
ピンチの際にキャラクターが自滅するシーンが多かった。ちょっとイライラする。自業自得っぽくて冷めてしまう。
キャラクターが随所で目をひん剥くような表情をしておどけるのだけど、怖い怖い、と思ってしまった。というかキャラクターがただの鳥すぎてかわいくない。
グエンの吹替の子の声がかわいかったのと摩天楼の描写だけはまあ良かった。
シンプルな邦題なので原題のままなのかと思ったら原題は"Migration"らしく全然違っていておかしい。