また書き方のノウハウ的な本をいろいろ読んだので紹介するぜ!
結城浩『数学文章作法 基礎編』
「さほう」ではなく「さくほう」。
結城浩先生は『数学ガール』シリーズを書いている作家である。ほかにプログラミングや情報数学の入門書も書いている。私もいくつか読んだことがある。本書はそんな結城先生が書いた文章作法の本。最近は論文の書き方的な本をいろいろ読んでいたが、本書はもっと広い範囲の文章に対して当てはまる書き方指南である。
本書は「読者のことを考える」というたった一つのテーマを繰り返し説いている。読みながら私は反省しきりであった。読者のことを考えていないせいで変な感じの使い方とかして怒られたりしたのだろうな〜とか。
そういった思想的な面だけでなく、実践的なアドバイスも豊富。たとえば「PはC上にある」と書くよりも「点Pは曲線C上にある」と書いたほうがわかりやすい、といったような。今後も何度も読み返して己の文章の質を向上させる所存です。
結城浩『数学文章作法 推敲編』
『基礎編』からさらに進んで、推敲のみに焦点を当てた続編。この本も推敲に際しての精神の持ちようからかなり具体的なアドバイスまで豊富で良いです。特にレビューの頼み方の解説が参考になった。というかいつか参考にしたい。
大上雅史『学振申請書の書き方とコツ』
大学院生必読の書! 実例も豊富! 頑張ります!
木下是雄『理科系の作文技術』
論文執筆指南書のクラシック。不朽の名著。
といってTeXの普及など執筆環境が時代とともに大きく変ったので古くなった部分もある。しかし論文を書くうえで根っこの部分は変らない。
パラグラフライティングやトピックセンテンスといった当時は珍しかったであろう概念が解説されている。そういうのはいまでは大学のライティングでも習うが、本書はダメな文章の添削例もあって一層わかりやすい。
また「逆茂木型」の文(章)という独特の用語も出てくるのだが、これには唸った。これを意識するだけで文章が格段に良くなるのではなかろうか。