トゥイッターで絶賛している人がいて気になって見てみた。あまりに素晴しい作品で驚いてしまった。何故あまり有名じゃないのだろうと思ったが、まあ残酷な物語なので、人にすすめられるものではない。
1999年にWOWOWで放送したらしい。この頃のCSは挑戦的なアニメを多く放送していた。本作は挑戦的すぎてもちろん万人向けではない。暴力や殺戮が頻出しレイプの描写もあり現在のアニメでは不可能だろう。とあるキャラクターの最後の選択など人によっては受け入れ難いと思う。しかしそうした受け入れ難い描写と物語を誠実に描いた稀有な作品である。
アナログ制作晩期の作品であり、失われてしまったアニメの美しさを感じる。音楽も異様に美しい。そういうところにも茶化しに逃げない強さを感じた。
監督の大地丙太郎氏は私などは『おじゃる丸』『すごいよマサルさん』のイメージが強い。普段ギャグやコメディばかりやっていてそういう茶化しを入れ飽きている(と言ったら悪いが)からこそ、全編にわたって誠実に描き切ることができたのだろうか。
というわけで、現代ではあまり広まりすぎてほしくもないのでオススメはしづらいが、もう少し見られてもよい作品でもあると思う。傑作です。