あんまりおもしろくなかったような気がしてならない。
なんでだろう。
色が綺麗で作画もたいへん良いのだけれど、新海作品で見慣れたもの以上という感じはしなかった。キャラクターデザインが目が小さかったりしてリアル寄りなのが特徴か。あと性的な描写が露骨でキスシーンもやたら濃厚なのは岡田テイストか。
話の方向が見えなかったのが問題かもしれない。設定が妙に観念的で何が起っているのかよくわからなかった。『君たちはどう生きるか』なんかはもはやわからせる気がないのが良かったが、本作はどうもちゃんとわからせようとしてくるのでわからないのがもどかしかった。空のひび割れや神機狼もそれほどのビジュアル的なインパクトはなかった。
なんでイツミがまぼろし世界を存続させる力を持っているのかはよくわからなかったなあ。
タイトルの「アリスとテレス」ってどういう意味だったのだろう。エネルゲイアとかアリストテレスっぽいモチーフはちょっと出てきたが。
まあしかし岡田監督やスタッフの意欲は感じるので、この調子でどんどん作っていただきたい。