曇りなき眼で見定めブログ

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私はSFがそんなに好きではない!?(『機動戦艦ナデシコ』を見たよ)

 『機動戦艦ナデシコ』というアニメを見た。1996−97年のテレビシリーズ。

 まあまあおもしろかったのだけれど、めちゃくちゃおもしろいというほどではなかった。めちゃくちゃおもしろいというほどではなかったのは、私がSFがそれほど好きではないからかもしれない。本作のミソはハーレムラブコメのテイでハードなSFをやるというギャップにあると思うのだが、そのハードなSFという部分にそれほど惹かれない私なのである。

 1980年代にはアニメ好き=オタク=SF好きだったんじゃないかと思う。庵野さんとか岡田斗司夫氏とか氷川竜介先生とか、特撮とアニメが好きで、そこから濃いSFに目覚めていったのだろう。こうしたオタク第一世代を生んだ作品といえば『宇宙戦艦ヤマト』で、たびたび当ブログに書いているが、私はこのアニメが好きではない。しかし『ヤマト』で初めて重厚なSFアニメが実現し、当時の若者がアニメ=SF好きになったのは確かである。その後『銀河鉄道999』などの松本零士作品と『機動戦士ガンダム』など富野監督のブームになる。私は『999』や『ガンダム』もそれほどハマらなかった。

 私は庵野監督の『新世紀エヴァンゲリオン』でアニメに目覚めた。後に押井監督の『攻殻機動隊』や今 敏監督『千年女優』あたりを見てアニメがより好きになる。『エヴァ』と『攻殻』はかなり濃いSFだし、『千年女優』もまあ広義のSFだろうか。どれも90-00年代の作品である。(そこからいろいろアニメを見た結果、高畑勲監督や山田尚子監督の繊細なヒューマンドラマが好きという感じに落ち着いたが。)

 この自分の傾向を分析してみたい。70-80年代と90−00年代のアニメの違いがある。前者のSFブームは宇宙ものと巨大メカもののブームである。対して後者は、情報とかバイオとか神経とか精神世界とかそういう側面が強い。私は巨大メカと宇宙航行にはたいして惹かれないが、情報とか精神世界は好きなのだろう。

 で『ナデシコ』は90年代だが、タイトルから明らかなように『ヤマト』と『ガンダム』の影響がある宇宙巨大メカものである。また作中作『ゲキガンガー』はもっと前の時代のロボットアニメがモチーフになっている。然るにポスト・エヴァンゲリオンの時代の作品でもあり、精神世界演出みたいなのもある。そのへんはおもしろかった。そういう意味で当時までのSFアニメの総決算的なもので、その歴史にそんなに思い入れのない私にはあまり理解できない部分もあったのである。