曇りなき眼で見定めブログ

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『哀れなるものたち』というキネマトグラフを観てきた!(どういう世界観やねん)

 友人S氏に勧められて鑑賞。おもしろかりけり。

 ↓これが原作らしい。

 最初の方はモノクロだったり間がゆったりしてたり妙にグロかったりで「雰囲気重視のアート系映画か!?」と思ったが、SFっぽくもなっていくし意外に物語が充実しているしでよろしい。雰囲気だけで押し切る映画はちょっと苦手なので。

 記憶を失って自分や世の中を客観視するという話はたまにあるけれど、本作は胎児の脳を移植するということで発想が奇抜である。しかもその発想だけが奇抜なんでなく、それが映画全体に馴染んでいて良い。奇抜な発想から出発している割に映像と物語の構成はちゃんとしている。

 街や海や船や建物がCGなのかミニチュアなのかチープな感じである。デザインも変で。それとたまに出てくる人物の顔にズームアップする演出もチープである。もちろん狙って出しているチープさのはずで、不気味な感じが増している。これはいつの時代の話でこの人はどんな感情なんだ? と不安になってくる。キメラみたいなペットの存在も不気味だが、映像のトーンが全体的に不気味なのである。アレクサンドリアの実態も謎だし。この謎世界観がいいね。あとこれはフィルムで撮ってるのかな? その感じも良い。レンズも変だし。

 終盤で夫が現れてなんとなく映画全体のテーマが見えた感じがしたが、その夫がヤギの脳を移植されたのかヤギみたいになって終って、そのナンセンスさに面喰らって結局テーマがよくわからなくなる。ヤギからやり直せということかな。

 ダンスのシーンは笑った。