曇りなき眼で見定めブログ

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【感想】『シン・仮面ライダー』を観たぞ!【ネタバレ of ネタバレ】

 ネタバレネタバレネタバレ!!!

 けっこうおもしろかった!

 私は『クウガ』『アギト』『龍騎』『555』の世代で、昭和ライダーはうっすらとだけ見ている。親がウルトラマン世代なので初代ウルトラマンとセブンほどは昭和ライダーを見ていない。なので細かいネタは解っていないかもしれない。庵野さんは好きだけど。

 最近の仮面ライダーはデザインがごてごてしているけどやはり初代はシンプルかつ不気味で良いなあ。

 まずビビったのは冒頭からどんどん流血することである。『エヴァ』もなかなかグロテスクだったが、等身大のヒーローがやるとけっこう怖い。これは子どもには見せられないな。けれどそういう非情さの表現としてはなかなか良い。

 という訳なのでかなり戦闘をリアルに描いていくのかと思いきや、そうでもないのである。コウモリオーグとハチオーグとニセ仮面ライダーに関しては物凄くヘンだった。私は空中の足場がないところで格闘するのには反対である。踏ん張りが効かないと思う。全体的に動きが速すぎるのもあってか体重を感じられない。背景というか自然と調和していない感じがする。なんか画質も粗い。それと拳と拳やキックとキックが衝突してドカンみたいなのとか、ハチオーグ戦のコマを落しておばけ(残像)を使ったアクションとか、ニセライダーのバイク軍団とか、極めてアニメ的な発想で描かれている。『鬼滅の刃』とか『サイバーパンク: エッジランナーズ』みたいですらある。CGはやはりそうした発想に適さないのではないか。そう考えると手描き2Dアニメって偉大な文化だなあと思える。これは私が手描き2D作画の信者だからだろうか。あとCGなんてなかった昭和のライダーもいま考えると凄いアクションをやっていたのだなあ。

 けどライダーキックを正面からとらえるのはカッコ良かった。サイクロン号の変形とジェットエンジンも良い。変身ポーズなんかも音と相まって良かった。

 しかしこういう感覚は今のニチアサのライダーや戦隊を見ている人にはないのかもしれない。ニチアサはこういう「軽い」感じのCGをばんばんやっている。そういうのが受け付けなくて私は見ていないのだが、庵野さんはむしろこれをリスペクトしたのだろうか。

 で、アクションが全然ダメかというとそうでもなく、最終決戦では今度は生身の格闘どころか泥臭い小競り合いみたいになる。あの懐かしき『クウガ』最終決戦みたいだ。これは良かった。爽快感のない戦闘こそ私にとっては爽快だった。

 『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』のキャストがスターシステム的に出てくるのはなかなか面白かった。そもそも元祖立花藤兵衛の小林昭二さんもいろんな特撮作品に出ているしそういうお約束のオマージュだろう。けど長澤まさみのサソリオーグはあれはいったい何だったのだ。

 なんかキャラクターがお決まりのセリフみたいなのを持っているのもアニメっぽいのだが、『シン・ウルトラマン』で受けたからって擦りすぎじゃないだろうか。まあいいけど。

 それと『金の国 水の国』ではところどころ鼻声だった浜辺美波ちゃんが本作ではなかなか良かった。綾波レイみたいな雰囲気があった。

 という訳で、なんかネガティブな感想が多かったけど全体的には面白かったでっせ。庵野演出とも言える光と影の表現と空間を生かしたレイアウトと謎のアングル及びカット割、そしてやたらと情報量豊富なセリフが健在で、そういうのを堪能できるのが大きかった。こういうのでファンは喜んじゃうんだから、庵野さんはもっとじゃんじゃん作品を作っちゃって欲しい。