アニメ批評を批判するシリーズ。
新しく取り上げるのは河野真太郎『戦う姫、働く少女』文庫増補版でごんす。
読み終えた感想は、端的に言って「ファック」である。あまりに酷くて読むのが辛かった。具体的な中身の批判は次回以降で書くが、簡単に言うと、いろいろ英語圏のドラマや映画の感想に体系的でない読書で得た浅い経済知識による社会批判(ジェンダーとか格差とか売れ線のテーマ)を絡めて、そこに売れたアニメの話題をくっつけました、という感じ。アニメへの理解もなければ論理のおもしろさもない。なのに本書はけっこう売れたらしい。それが証拠にちくま文庫に入ってしまった。左派ジンブン系ヒヒョウ界隈の腐りようが嫌というほど感ぜられた。
宇野常寛先生や杉田俊介先生のような文体のナルシスティックな気持ち悪さがないことだけが救いか。とは思うが、河野先生は前二者と違ってこれで博士号持ちの大学教授で、その点で驚くべきものがある。こんな浅はかで非論理的な文章でよく博士号とポストが得られたものである。本業の英文学ではちゃんとした研究と教育をしているのだろうか。ならいいけど。と思いきや勤めている専修大学のシラバスを見ると、本書を教科書に指定した授業をやっていた。専修大学の学生さん、ご愁傷様です。
次回以降の具体的な批判をお楽しみに。
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