曇りなき眼で見定めブログ

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【感想】『RRR』という超弩級映画を観てきた!

 めちゃくちゃおもしろかった!

 こんな映画は見たことがない。

 インドすごい!

 猿渡哲也先生が脚本に関わってるのかと思うくらい猿濃度が高かった。動物にバトルさせたり、跳び関節をやったり、肉体破壊描写が多かったり、悲しい過去があったり、やたらとサディストで拷問好きの権力者が出てきたり、女を殴ったり。猿渡先生の全ての作品を集めてぐっと凝縮したらこんな映画になるのかもしれない(んなわきゃない)。

 兎に角見た事もないようなアクションの連続である。3時間の中に高密度で詰っている。最初に主人公二人が出逢うシーンはピンチの少年を協力して助けて友情が芽生えるというもので、そういう話は偶に見るが、その為にわざわざ機関車が爆発してそれをとんでもない方法で救出するという演出になっている。サービス精神が凄いのである。

 肉体で闘ったり銃や弓矢を使ったアクションが出てくる。それをキメの部分はくどいくらいスローモーションでやるのだが、どれもバロック絵画かというくらい迫力のあるレイアウトである。火と水を中心に川とか血とか象徴的なモチーフを使った演出は叙事詩的でもある。これらが見る者の心の原始的な熱みたいなものを呼び起すのである。

 原始的な熱といえば音楽もそんな感じでとても良い。単純だが観客を鼓舞する力強い音楽である。あとダンスシーンも良い。

 密度が凄いので、クライマックスか!? と思ったらスクリーンにバァンと"INTERVAL"と出て驚いた。まだ半分なのかよ! という感じ。

 もうすぐ終演だからかけっこう客が入っていた。女の人が多かったので、腐女子人気もあるのかもしれない。

 しかし分りやすくイギリス白人を悪者として描いていて、それをブチ殺すのは痛快だが、白人が観たら気まづいんじゃないかと思った。インドすごい映画である。でもジェニーみたいな優しい白人は一応赦されているのでいいのか。

 インドはすごい。中国アニメ『羅小黒戦記』を観た時に、中国の勢いを感じると共に日本にはこんな力のこもったアニメはもう作れないんだろうなあと寂しくなったが、今度は実写映画でインドに対して思った。監督は『七人の侍』が好きらしい。日本も『七人の侍』の頃は国全体に活気があったんだろうなあ、とか悲しくなった。

 最近は『すずめの戸締まり』とか『THE FIRST SLAM DUNK』とか『かがみの孤城』とか妙にストイックな映画ばかり観ていたので、この欲望のままに作られたような映画に圧倒されてしまった。