曇りなき眼で見定めブログ

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(選択的)夫婦別姓についてつづき(海外との比較)

 前に選択的夫婦別姓について書いた。

cut-elimination.hatenablog.com

何を書いたかというと、選択的夫婦別姓はデメリットがないかのように言われるがそんなことはない、メリットとデメリットを比較し慎重にルールを考えるべし、特に子どもの姓をどうするか、というようなこと。

 で、その後ちょっと調べてみた。海外の選択的夫婦別姓の国では子どもの姓などどうしているか、ルールについてなど。検索したらいろいろ出てきたので、それについて書いておく。

ベルギー

 まず検索したらこんな記事が出てきた。

www.newsweekjapan.jp

ベルギーで結婚して子どもがいる人らしい。岸本という人で、結婚しても別姓だが、子どもの姓は統一しなければならないというルールがあり、子どもはみんなキシモト姓らしい。

 タイトルに「1ミリの問題もない」とあるが、読んだ感じでは、問題がないのはベルギーでは夫婦別姓が基本だからじゃないかと思う。日本みたいな同姓が基本の国で選択的夫婦別姓が導入されたら、やはり夫婦の姓や子どもの姓で揉めるんじゃないだろうか。日本も強制的に別姓ということにしたら問題は軽減されそうだが、別姓論者は「選択の自由」を重視するからそうは言わないのだろう。

 ところで日本人の姓を名乗らされて子どもは嫌じゃないのかなと思ったが、こんなふうに書いてある。

オランダ、ベルギーで育ち、教育をうける息子たちは、母が日本人というアイデンティティーに時に困惑しているように見える。現地語を話さない母、日本語という彼らにとって難しい母の母語、時に理解不能な文化、約一万キロも離れた遠くにいる母の家族。それでも姓は誰が見てもヨーロッパ由来ではないkishimoto。二人がそれに文句を言ったことはない。反対に、決して言葉にはしないけど自分たちのルーツの一部だと誇りに思っているように私には見える。

こういう子どもの心情を勝手に決めつける感じ、出生主義者らしい傲慢だなと思う。

フランス

 こちら。

www.vogue.co.jp

 フランスでは子どもの姓を巡ってめちゃくちゃトラブルが起きているっぽい。父親の姓を受け継ぐのが基本だからみたいだ。夫婦別姓が選択できるようになるだけでは「家父長制の打倒」はできないということだろう。大変だ。

 母親たちの「子どもに自分の姓を継がせたい」という思いが原動力になって運動が起こっているらしい。私にはこれがわからん。姓なんて継がせてなんになるのだろう(私は鈴木という平凡な姓だからわからんのろうか)。こういう一見するとリベラルっぽい人たちも、妙に伝統に縛られた考え方をしているんだなあ、と思う。

ドイツ

 こちら。

www.gentosha.jp

 ドイツもベルギーと同じで、別姓が普通だからトラブルがないとか。だから日本とは事情が違う。

 こんなことが書いてあるのが気になった。

子どもと姓が違うと、親子と証明するために子どもの出生証明書、または住民票(子どもと同居している場合)を携帯する必要がある。特に飛行機に乗る場合は、証明書を求められることがある。姓が違うためパスポートだけでは親子と証明できないからだ。私の場合もまだ子どもが小さかったころ、夫が子どもと2人で飛行機に乗る際に出生証明書を持っておらず、飛行場の担当者から確認の電話がかかってきたことがあった。口頭で説明し、ことなきを得た。このような出来事に、別姓は不便ではないかという人がいるかもしれないが、特になんともない。

書類主義のドイツでは、ことあるごとに証明書で身分を証明する機会があり、特別なことではない。

いや不便だろ! と思った。別姓が普通ならなんでこんな制度があるのだろう?

 

 などなど。海外の事情について調べても私の考えは変わらなかった。