↓に引き続き『羅小黒戦記2』の感想を書きまっせ。
cut-elimination.hatenablog.com
前回の記事で『機動警察パトレイバー2』からの形式的な影響について述べた。しかし本作はもっと深いところでパト2に似ている。それはもちろん、戦争をテーマにしているからである。
しかも戦争を描くのに、戦闘そのものに着目するだけでなく、いかに戦争への緊張が高まっていくかというメカニズムに重点を置いているのが似ている。本作の黒幕・リンヤオは、戦争を起こすことより、戦争を起こす理由を与えることが目的だったという。こういう理屈がパト2と似ている。
しかるに本作が新しいのは、戦闘の描写が非常に現代的な点である。戦争や戦争に準ずる状況を描いたアニメはたくさんあるが、日本の作品はだいたいは超未来のロボット兵器が出てくるか、過去の戦争の歴史を描いたものである(富野アニメやジブリアニメ)。だが本作は、ドローンによる銃撃とかセンサーやモニターなど、現実の21世紀の兵器(のように見えるもの)が出てくる。非人道的な戦争の世界を、ロボットや歴史に仮託するのでなく、本当に被人道的な兵器を出すことによって描いてみせたことに驚いた。なにか日本のアニメが無意識に避けていたもののように思えた。人間の軍人たちもキャラクター然としたものでなく、本当に軍人らしいものになっている。こうした点が私の思う本作の最大の長所である。
とにかく、前作とはまったく違うモチーフを扱っていて、それでいておもしろいのがすごい。
パト2は、戦争への緊張の高まりを描くことに重点を置いた結果、やたらと観念的な議論の多い作品となった(そこがおもしろいんだが)。しかし本作は、アクションもふんだんに盛り込まれたサービス満点のエンターテインメントになっている。アクションの魅力はまた次回以降の記事で。
追記:続きは↓です。