最近は語学関連の本や文献をいろいろ読んだ。
黒田龍之助『にぎやかなロシア語メモ━あるいは眠られぬ夜の外国語のために』
ロシア語検定を受けようと思い、ロシア語を学び直している。
本書はロシア語単語が1000語紹介されていて、それぞれにちょっとした小話が添えられている。単語帳としてもエッセイ集としても楽しめる。
勉強中の私はもっぱら単語帳として読んだ。通読できる単語帳というのは良いものである。だいたい知っている単語だったが、思い出せた。
エッセイのほうはというと、可愛い女の子がどうとかビールがどうとか、おぢっぽい話題が多いのが気になった。また文系学者っぽいおおらかさというか能天気さも随所に感じる。そういうのが出ている箇所はあまりおもしろくない。ソヴィエトでの実体験を書いたものは興味深かった。
鈴木文恵『新ゼロからスタートフランス語単語BASIC1000』
フランス語も必要があって勉強している。文法はある程度やったことがあるのでやはり単語をば。いちばん易しそうな単語帳を買った。
基本のフランス語単語1000個が収録されている。例文が付いているものと付いていないものがある。音声はダウンロード可。
何周もして勉強します。
今井邦彦『「英語耳」を鍛え「英語舌」を養う』
英語の勉強ももちろんしています。「音の脱落」など、発音や聴き取りの際に重要となる現象が知りたくて読んだ。
そしたらタイトルや帯の印象と異なり、英語音声学のガチめの入門書だった。帯に書いてある「理屈はどうでもいい云々」というのはまったく違う。かなり理論的である。
音声はダウンロード可。著者自ら発音している。
本書の著者は『ロシア語メモ』以上に年配で、おぢっぽい文章どころではない。おじいちゃんぽい。まあそれも味である。
子音・母音の発音だけでなく、アクセントやイントネーションの語用論的な機能も解説してある。英語の奥深さがよくわかり、ぶっちゃけネイティブと英語を話すのが怖くなってきた。
本書はイギリス英語を主に取り上げている。市販の英語教材はアメリカ英語が多いのでややズレがある。
平沢慎也・野中大輔『実例から眺める「豊かな文法」の世界」
認知文法という理論の使用基盤モデルという考え方から英語を解説した記事。『英語青年』という雑誌で連載された。これはおもしろいので英語好きはぜひ読もう!
文法書で解説される文法は抽象度の高い公式のようなものが多い。しから著者らの提唱する「豊かな文法」は、もっと具体的な語のかたまりで文法をとらえようというもの。実例をたくさん見ることで単語やフレーズの具体的な使い方が習得される。
なに言ってるかわからないと思うので実際に読んでくれ! 著者のひとり平沢先生のresearchmapから無料でダウンロード可!
平沢先生は同じ思想から他にもいろいろと興味深い本を書いている。これから読む予定。