曇りなき眼で見定めブログ

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描写の哲学の日本語論文をいろいろ読んだのねん

 前に清塚邦彦『絵画の哲学』という本を読み「描写の哲学」なるものを学んだ。

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 描写の哲学の日本語論文は最近たくさん出てきているようで、しかも若手の論者が多いらしい。アニメ哲学を志す拙者としては興味のあるところであり、いろいろ読んでみた。で、コメントしていこうと思ったのだけど、それはちゃんと論文にすべきと思ったので軽くだけにしておく。読んだのは以下の論文たち(『フィルカル』5(2)は描写の哲学を特集している)。

  • 高田敦史(2014)「図像的フィクショナルキャラクターの問題」(デフォルメされた二次元キャラクターという日本らしいテーマを扱った重要論文。後の論文の多くもこの論文を参照して乗り越えようとしている)
  • 松永伸司(2016)「キャラクタは重なり合う」フィルカル 1(2) 76-111(高田論文を乗り越えようとする論文)
  • 難波優輝(2019)「アニメーションの美学––––原形質性から多能性へ」(アニメーションについて描写の哲学の観点から論じている。個人的には言いたいことが物凄くたくさんある。いずれどこかで)
  • 松永伸司(2020)「描写の哲学を描写する」フィルカル 5(2) 48-58(短いサーヴェイ)
  • 銭清弘(2020)「イメージを切り貼りするとなにがどうなるのか:インターネットのミーム文化における画像使用を中心に」フィルカル 5(2) 60-81(インターネットミームが題材。語用論を使ったアプローチ)
  • 難波優輝(2020)「キャラクタの画像のわるさはなぜ語りがたいか––––画像のふたつの意味と行為の解釈」フィルカル 5(2) 82-107(よく炎上することでお馴染み、二次元キャラクターを使ったポスターの倫理的問題についての整理)
  • 村山正碩(2020)「視覚的修辞:エル・グレコからアボガド6まで」フィルカル 5(2) 110-127(これも高田論文にインスパイアされている。デフォルメ(様式的変形)についてエル・グレコの絵も二次元キャラクターも同じような理論で説明している。たいへんおもしろい論文だったが、言いたいことはある!)

 こんな感じだ! 奥歯に物が挟まったようなコメントですみません……

 たぶん応用哲学会とか若手フォーラムとかをチェックするともっといろいろ出てくるだろうし日進月歩だろう。みんなもいろいろ読んでみよう!