これは大傑作である。
出﨑アニメを見るシリーズ。これも杉野昭夫氏が参加
池田理代子先生による原作は1974年に描かれた。まだ読んでいないが、全3巻しかないので、アニメは相当ふくらませている模様。
伝統的な女子校を舞台に同性愛的なものも含んだ人間模様を描く、典型的ともいえる百合である。放送は1991~92年なので、93年に刊行が始まった『マリア様がみてる』より早い。先駆的である。まあ男との恋愛も重要な要素になっているという点で最近の典型とは異なるが。
際立っているのは物語の豊かさである。大きな縦軸があるわけではないのに、心理を巧みに題材として次々と怒涛のサスペンス展開が巻き起こる。原作を確認して原作の功績と出﨑らアニメ班の功績を比較検討しますねそのうち。
重たい感情を抱えたキャラクターが続々と登場する。不気味なほどに美しい目や身体の造形と、ハーモニーなどの情感を際立たせる技法がそれをドラマチックに仕立てる。杉野の耽美的なデザインと出﨑の叙情的な演出は、少女漫画にこそ合っているのだろうと思える。
キャストが豪華で、学園の三人のマドンナ的な人を戸田恵子・小山茉美・島本須美が演じている。戸田と島本と言えばアンパンマンとしょくぱんまん、小山と島本と言えばベルモットと工藤有希子である!