出﨑アニメを見るシリーズ。
これでdアニメストアにある出﨑監督のテレビシリーズはすべて見終えてしまった…
出﨑演出がデジタル制作だとちょっと浮いて見えるという問題がある。これは他の出﨑デジタル作品ももっと見て検討したい。ただ出﨑監督は本作が実質的な遺作となってしまったのでこれ以上新しいものはない…
演出面はそうなのだが、杉野昭夫先生のキャラクターデザインと作画はデジタルによく合っていると思った。『おにいさまへ…』や『ブラック・ジャック』で見せたような西洋人形みたいな女性キャラクターの顔が、デジタルの冷たい感じでより活きていた。特に若紫の白い肌と青い眼と赤い唇が際立っていて美しい。これは『イノセンス』のガイノイドにも似ている。参考にしたのだろうか。
話は原作の序盤のあたりで終ってしまって残念である。『源氏物語』はここからがおもしろいのに。それと光源氏と若紫の関係がけっこう美化されているが、原作だともっと気持ち悪い。こういうところは現代のマスメディアでは再現が難しい古典の凄みであろう。
主演の櫻井孝宏氏はこの前の不倫のせいでイメージに合わないとか言って役を降ろされたりしていたが、光源氏は当り役じゃなかろうか。