曇りなき眼で見定めブログ

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出﨑版『ブラック・ジャック』を見た

 前までは「出崎統」と書いていたけど今回からは「出﨑統」と書きますね。こちらのほうが正確らしい。ある時期まではクレジット上は「出崎統」となっていたが。

 出﨑監督の『ブラック・ジャックOVAシリーズをまだ半分くらいしか見ていなかったので残りも見た。キャラクターデザイン・作画監督杉野昭夫で、いわゆる黄金コンビというやつである。

 昔、まだ私が小学生とかの頃、テレビでたまたま「葬列遊戯」という回をやっていて、見て強く印象に残った。これは原作にはないオリジナルエピソードである。私は当時すでに原作は愛読していたので、あまりに雰囲気が違って驚いたのだった*1

 ↓手塚治虫による原作。

 原作に比べてBJに妙に色気がある。原作より年齢が上だと思う。イケオジになっている。なんかエロいのである。毎回ゲストヒロインが出てきて、これも大方エロい。しかし杉野のデザインはエロさとともに崇高さも感じさせる。

 また出﨑演出の特徴だが、画面の陰影が濃く、光と影のコントラストが強烈である。これによって画面全体にも大人の雰囲気が漂っている。

 物語はオカルト・怪奇色が強く、原作初期のテーストという感じか。

 個人的には前述の「葬列遊戯」とともに「しずむ女」という回が好きである。「しずむ女」は原作も社会派な感じで良かったが*2、出﨑版ではより幻想的な物語・演出となっている。藤津亮太『「アニメ評論家」宣言』でも激賞されていた。

 原作のファンは出﨑版を見るとコレジャナイ感があるかもしれないが、手塚の弟子である出崎の一つのBJ解釈として楽しんでいただきたいところ。

 ↓この劇場版も見た。

*1:後に中学生になった私は作家・森絵都の小説にハマるのだが、さらに後に「葬列遊戯」の脚本が森絵都だったことに気付くのだった…

*2:原作の「しずむ女」は最近のコミックスや文庫版には収録されていないらしい…