曇りなき眼で見定めブログ

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【成田悠輔-○-□-批判 その6】『22世紀の民主主義』という(たいして面白くない)本を(我慢して)読む その3

 ↓これの続き!

cut-elimination.hatenablog.com

↓この本の3章を取り上げます。成田悠輔『22世紀の民主主義』ソフトバンク新書。

 前々回の記事をトゥイッターでデビット・ライスさんにシェアしていただいた事で微妙にバズった。気を引き締めていきます。しかし今回は短い章なので少しだけ。

 民主主義がダメなのか民主主義が正しく実行されないのがダメなのか分らず、前章ではどうも民主主義の機能不全がダメという事のようだと思っていたら、3章では民主主義がダメだという話になっていて混乱した。

 独立国家とか新しい都市を作ろうといういろいろな運動が取り上げられていて、これは全然知らなかったので勉強になったし面白い。しかし、それらの運動が民主主義の否定という思想の上に成り立っていると成田先生は言うが、本当にそうなのだろうか。根拠がない。あるいはそう明確には述べていないかもしれないが。そうした運動に投資する起業家のピーター・ティール氏の思想が出てくるが、相変らず論理が明確でないのでティール氏の思想もよく分らない。「自由と民主主義は両立しない」という文字が出てくるだけで、その背景は説明がない。ティール氏がトランプ氏を支持した背景(民主主義を内側から破壊してくれるかららしい)なんて成田先生の妄想のようでエビデンスがない。そしてティール氏以外の独立国家・都市思想家が何を考えているかも分らない。

 成田先生によると、ティール氏を始め独立国家・都市思想家は、民主主義が個人の能力を阻んでいると考えているらしいが、ティール氏以外はエビデンスどころかなんの解説もない。ティール氏は反民主主義だ、ティール氏は自治都市を作ろうとしている、だから独立国家や自治都市を作ろうとしている人は反民主主義だ、という誤った演繹をしたのだろうか。

 独立国家を作っても、そこでは結局民主的な運営がなされるのではないか。成田先生は、民主国家が作った制度を離脱しようとする人を、そのまま民主主義の否定者だと論理を飛躍させて繋げてしまったようである。

 この章はやたらと「バカ」という言葉が頻出していた。私はバカって言う方がバカだと思っている。というかバカという言葉を使って感情に訴えかけるような本の書き方しか出来ない人は能がないと言うべきか。

 椎名林檎の歌の歌詞が唐突に引用されていたが好きなのだろうか。それともインテリなのに椎名林檎の歌にまで精通していて本の中で引用するという洒落た事が出来てしまう自分が好きなのだろうか(言い過ぎ)。あんまり引用の意味というか効果が判らなかったのでつっこませて頂きました。