曇りなき眼で見定めブログ

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Awodey先生の Category Theory の読書記録其の一(Chapter 1 の其の一)

 Awodey先生は「アウディ」と読むらしい。数学者・数理論理学者であり数学の哲学者*1でもある。こういう人はすごいと思う。「数学の基礎付け」なんてのはいまや死語かもしれないけれど、圏論型理論との相性が良くて、計算機科学を考慮した新機軸がいろいろあるようだ。ホモトピー型理論(HoTT)というやつなんかはマルティン=レーフの構成的型理論の進化版みたいな感じらしく、論理学徒としては注目せざるを得ない。で、アウディ先生はHoTTとか Univalent Foundations とかいうのに携わっているとか。
 というわけで、アウディ先生の圏論の教科書は論理学や計算機科学への応用を意識して書かれている感じで非常に勉強になる感じである。難易度もちょうど良さそうだし。なので読んで思ったことをメモっていきます*2。ただし、モノイド圏のような興味深げな話題は載っていない模様。そういうのはマックレーンの例の本を読めとのこと。

Category Theory (Oxford Logic Guides)

Category Theory (Oxford Logic Guides)

  • 作者:Awodey, Steve
  • 発売日: 2008/01/10
  • メディア: ペーパーバック
 ところで、この本には翻訳があるのだけれど、どうも評判が悪いらしい。私はよくわからないのだが、圏論のプロや愛好家の間で「炎上」みたいな状態になっていたようだ。けれどもまあないよりはいいでしょう。いちおう原書を読んでいくけれどたまに参照するかもしれない。手元にはないけれど。
圏論 原著第2版

圏論 原著第2版

 とりあえず第一章をまあ読み終えたのでわかったこととか注意点とか疑問点とかエクササイズの自分なりの答えとかを書こう、とした、のだけれど、いろいろと調べていたら以下のような素晴らしい記事を見つけた。
www.orecoli.com
この方、なんと、私が勉強記録としてやろうとしていたことを、数学ができる人の立場から丁寧にやってのけている。私は自分のために書こうとしていただけなので目的は違うのだけれど、それにしてもこの記事は素晴らしい。ちょっとこの方の記事を読んでからまた出直そうかな〜と思ってしまった。これが Awodey, Category Theory 読書記録の其の一である。私は”リアル”を目指しているので、こういうのもありだろう。

*1:「数学者」や「哲学者」というのは普通だけど「数学の哲学者」ってなんか変な言い方ですな。「数学の哲学の専門家」だと長すぎるし。こういうのは言語学で研究されていそう。

*2:「メモる」という言い方の元祖はビートきよしさんらしい。きよしさんの独特な言葉の略し方をおもしろがったたけしがラジオでとりあげて広まったとか。