メチャクチャおもしろかったじゃねぇかコノヤロウ
権謀術数&バイオレンスで『アウトレイジ』シリーズの戦国版のようなのだが、そこに男同士の嫉妬と笑いも絡めている。ブラックユーモアの類だけれども日本的なコントのようにも楽しめて新感覚だった。宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』もそうだったが巨匠の方が斬新な映画を作るものである。しかし『君たち』と違ってけっこう構成も緊密で「よくできてる」感もあった。
暴力に満ちているのもさることながらみんな他人を信じていなさすぎで、ホンマに戦国時代に生れなくてよかったと思った。胃が痛くなる。
キャスティングも絶妙でおもしろい。キム兄がすべらない話をやったりとか、寺島進が勝村政信に銃を向けるところなんて『ソナチネ』を思わせる。光源坊という不気味なキャラが誰かと思ったらホーキング青山で驚いた。岸辺一徳の千利休が妙にピッタリである。
130分あったけれども内容とアイデアが詰っている。やはり天才は創作意欲が溢れて止まらんのだろうなあと思った。